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お金と仕事

100万回ありがとうを聞かせた菓子? 「麦ふぁ~」製造元に聞いた

愛知県犬山市のメーカーが作ったお菓子が、ネット上で話題になっています。

「麦ふぁ~」の製造過程。後ろで「ありがとう」の声が流れている
「麦ふぁ~」の製造過程。後ろで「ありがとう」の声が流れている 出典: 竹田製菓提供

目次

 愛知県犬山市のメーカーが作ったお菓子が、ネット上で話題になっています。名前は「麦ふぁ~」。話題になっているのはパッケージ裏面に書かれた一文です。「このお菓子にはありがとうを100万回聞かせてあります」。いったい何のために、どうやって100万回も聞かせているのか? 製造元の竹田製菓に話を聞きました。

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「麦ふぁ~」のパッケージ
「麦ふぁ~」のパッケージ

竹田製菓とは

 大正時代から「タマゴボーロ」を製造してきたという竹田製菓。現在も「タマゴボーロ」と「麦ふぁ~」が主力商品です。すべてのお菓子は犬山市にある工場でつくられているため、全商品にありがとうを100万回聞かせているそうです。

 創業者は個人投資家としても知られる竹田和平さん(現在は会長)。自分と同じ2月4日生まれの赤ちゃんに純金のメダルを無料で贈ったり、お菓子のテーマパーク「お菓子の城」を作ったり、独自のやり方で社会に利益を還元してきました。

 お菓子に100万回ありがとうを聞かせることについて、ネット上では以下のような声が上がっています。

 「尋常じゃない回数をどうやって聞かせたのか」
 「原材料の倉庫から音声を流し続ければ、ありえない数字では無い」
 「1秒3回ありがとうを言えば100万回は92時間で終わる」

「このお菓子にはありがとうを100万回聞かせてあります」と書かれた裏面
「このお菓子にはありがとうを100万回聞かせてあります」と書かれた裏面

100万回をはじめたきっかけは


 なぜ、お菓子に100万回もありがとうを聞かせて作るのか? 和平さんの息子で常務の竹田幸生さんに話を聞きました。

 ――100万回聞かせ始めたきっかけを教えてください

 「お酒などをつくるときにクラシック音楽を聴かせているところがありますよね。それならうちは『ありがとう』の言葉にしようと思ったんです」

 ――「ありがとう」にした理由は

 「『ありがとう』って聞いて、嫌な気分になる人はいないと思います。お菓子に聞かせるだけでなく、作っている従業員のみなさんにも聞いてもらいたいという思いも込めました」

 ――1時間「ありがとう」を言うと、給料とは別に手当てが出るというのは本当ですか

 「現在はやっておりませんが、かつてそのような制度がありました。通勤時間などに口にした時間の累計で、自己申告方式でした。感謝の心がこもっていなくても、まずは言葉にすることから始めようという狙いでした」

「ありがとう」の声が流れているスピーカー
「ありがとう」の声が流れているスピーカー 出典: 竹田製菓提供

具体的な手順は


 ――100万回聞かせる具体的な手順を教えて下さい

 「工場では製造ラインから出荷を待つ場所まで、保育園児50人ほどが一斉に『ありがとう』とあいさつする声を録音したものを、24時間繰り返しMDで流しています。一度の『ありがとう』が2秒ほどなので、2秒で50回、1分間だと1500回、1時間で9万回、1日で216万回という計算です。きりのいい数字ということで100万回と記載しています」

 ――創業当時から聞かせているんですか

 「いいえ、10数年前からです」

 ――裏面を見た人から問い合わせなどはありますか

 「ロングセラーのため、ほとんど見ない人が多いのでしょうか? 問い合わせは年に数件あるかないかです」

 ――100万回に込めた思いとは

 「殺伐とした時代だからこそ、みなさんも職場や学校で『ありがとう』を広めてもらえればと思います」


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