お金と仕事
ケーキ味ポテチ? 湖池屋・バーキン…業界首位じゃない組の存在感
「バーガー戦争停戦」提案したバーガーキング。「もも味」「バナナ味」を発表した湖池屋。今年は「業界首位じゃない」企業が繰り出す奇策が目立った1年でした。
お金と仕事
「バーガー戦争停戦」提案したバーガーキング。「もも味」「バナナ味」を発表した湖池屋。今年は「業界首位じゃない」企業が繰り出す奇策が目立った1年でした。
毎日のように発売される新商品。中でも、今年は「業界首位じゃない」企業が繰り出す奇策が目立った1年でした。バーガーキングは、マクドナルドに「バーガー戦争停戦」提案。湖池屋は「もも味」「バナナ味」に加え年末には「ケーキ味」のポテチを投入。ペプシもクリスマスに合わせてホワイトコーラを発売しました。切磋琢磨の末に生まれたイノベーティブな商品を振り返ります。
ハンバーガー業界でトップのマクドナルドをライバルに見据えるバーガーキング。8月に発表したのが真っ赤なバーガーです。元々、2012年にバンズ(パン)も黒い「黒バーガー」で注目を集めていた同社が、次に取り組んだのが赤でした。
「AKAバーガー」のバンズにはトマトパウダーを使い、ソースはトウバンジャンや唐辛子で仕上げ、刺激の強い「赤」を形にしました。期間限定で発売された「AKAバーガー」によって、期間中の売り上げは前年比105%となりました。
さらに同社は、ライバルのマクドナルドに対して、9月21日の「国際平和デー」に合わせて「バーガー戦争停戦」を提案。それぞれの代表的なハンバーガーである「ビッグマック」と「ワッパー」を統合し、平和を愛するバーガー「マックワッパー」の共同開発を呼びかけました。結局、この提案はマック側にスルーされましたが、世界的な話題を集めました。
カルビーにはない斬新な視点でポテトチップスを進化させてきた湖池屋が今年取り組んだのが、ポテチの朝食化です。グラノーラやスムージーなど、新たな朝食アイテムを意識した結果、ポテトチップスの「もも味」「バナナ味」が生まれました。
開発チームが重視したのが「コミュニケーションツールとしてのお菓子」でした。ライバルを、同業他社のお菓子ではなくLIENスタンプと位置づけ、あえて「ポテチで朝食という突っ込みどころ満載のコンセプト」で勝負をかけました。
12月には「苺のショートケーキ味」を発売。「ポテノミクスでケーキ対策」と銘打ち、ポテトチップで景気を刺激しながら、クリスマスやパーティーなど年末のイベントで活躍する商品を提案しています。苺の風味とショートケーキの味わいをポテトチップスで表現、全国のコンビニ・スーパーのほか、同社の通販サイトではクリスマスカード付きで販売しています。
ペプシも12月に「ペプシホワイトコーラ」を季節限定発売しました。シトラスの香りをつけ、すっきり飲める味わいにしています。 2007年にきゅうり味の「ペプシアイスキューカンバー」で話題を集めた同社。その後も「ペプシピンクコーラ」など記憶に残る商品を投入してきました。
10月にはハロウィンに合わせて、ミステリーフレーバーのコーラを発売。パーティーなどイベントの場で、仲間と盛り上がれる仕掛けで、業界首位のコカコーラと差別化をはかっています。
2015年に生まれた数々のチャレンジングな商品たち。発売と同時にネットでニュースとなり、商品を買った人がツイッターなどで画像をあげて楽しむという流れが定着しています。味や品質だけではなく「話題になる」という要素が、求められているようです。ソーシャルメディアでの拡散を意識した時、業界首位ではない立場は、逆に強みになるのかもしれません。
1/17枚