話題
工事中に現れた大きな岩 「おもしろいから」しめ縄で祀った地元民
長野県茅野市で、駅前にまつられている大きな石。しめ縄が飾られ、立派な看板も立っていますが、案内板には、それらしい伝説はなさそうですが…。
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長野県茅野市で、駅前にまつられている大きな石。しめ縄が飾られ、立派な看板も立っていますが、案内板には、それらしい伝説はなさそうですが…。
国宝の土偶「縄文のビーナス」で知られる長野県茅野市で、駅前にまつられている大きな石が話題になっています。しめ縄が飾られ、立派な看板も立っていますが、案内板には、それらしい伝説はなさそう…。つまり「単なる石」。なぜ、そんな石を大事にまつることになったのか。「いい伝説を作ろうと思ったけど、思い浮かばなくて…」。隠れた名所には、驚きのエピソードが隠されていました。
ツイッターで「大変おもしろい大岩」として紹介された大石は、茅野駅西口から約200メートルのところにあります。高さ1メートル以上、横幅も1.5メートルを超えています。何よりその丸い形が、色んな想像をかきたてます。
大石にはしめ縄が飾られています。しっかりした案内板も立てられており、大石の由来が詳しく書かれています。
ツイッターで注目を集めたのは、その由来です。案内板によると、大石は周辺の再開発の工事中に発見されました。珍しい大石の出現に、関係者は驚き大事に掘り出したそうです。あまりにも見事な大石だったので、神が宿る岩である「磐座(いわくら)」として保存することになりました。
普通なら語りつがれてきた伝説とともにまつられるところですが、この大石の場合は、そのような伝説はありません。案内板には次のように書かれています。
「悠々の時を経た巨大岩石が、突然、地上に出現したことは単なる偶然とは思えない。我々を守る神の磐座であると信じ、シンボルとして、駅前縄文公園隣接に永久保存することにした」
この案内文に対して、ツイッターでは「無いのかよwww」「いきなりの飛躍」など、温かい突っ込みが入る事態に。
きっかけとなったツイートは2000を超えるリツイートに。一連のやり取りをまとめた「Togetter」のビューは10万を超えています。
茅野駅の前にある大変おもしろい大岩。横に「いわれ」を書いた看板があるんだけど、内容が「工事で丸い巨岩が出たから何かあると思って慎重に掘り出したけど、別に何でも無かったものの、こんな事が起こるのは奇跡的だと思い祀った」っていう。 pic.twitter.com/9cu48qgNQj
— 農民丁 (@noumin_T) 2015, 9月 5
ツイッターの話題をさらったこの案内板。立てたのは「茅野駅前まちづくり協議会」です。協議会に聞いたところ「実は、御利益がありそうな物語がないか考えたんですけど…なかなかいい話が生まれなかったんです」と教えてくれました。
あまりにも見事な大石だったので、後付けで「伝説」を考える。大岩の形に匹敵するユニークな発想でしたが、さすがにそれは無理だったようです。
看板を立ててから約3年。協議会によると、今では、大石目当てに訪れる人もいるという隠れた観光スポットになっているそうです。
今回のツイッターでの騒動について協議会では「学術的にも調査してもらった石は、地域にとって大事な存在」と説明。「街の魅力を知ってもらえるきっかけになればうれしい」と、知名度アップに期待しています。
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