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IT・科学

バズフィード驚異の拡散力 ヤフーが手を組む理由がよくわかるグラフ

今冬にも日本版を開設するバズフィード。その圧倒的な拡散力をグラフ化しました。そこから見えてくるヤフーが手を組む理由とは。

バズフィードマーケティングチームのツイッターアカウントに投稿された日本進出を意識したロゴ
バズフィードマーケティングチームのツイッターアカウントに投稿された日本進出を意識したロゴ 出典: @BuzzFeedx

目次

世界で月間2億ユーザーを超え、今冬には日本版も設立する米バズフィード。その力の源泉であるソーシャルメディア上での拡散力をグラフ化し、他サイトと比較すると、特に日本メディアとの差は一目瞭然だ。日本進出に際してヤフー・ジャパンと合弁会社をつくった理由も、そこから浮かび上がってくる。

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圧倒的なBuzzFeed、国内外メディアの格差くっきり

ソーシャルメディアでの「シェア数」を抽出するツール「BuzzSumo」を使った。フェイスブックやツイッターなど主要なソーシャルメディアで、国内外のメディアのコンテンツがどれだけシェアされているか、グラフにまとめたものが下図だ(データは今年7月の1カ月分)。

BuzzSomoで収集したデータをもとにTableauで作成。(※追記8月27日17:00:データは各メディアの代表的ドメインから収集した。Yahoo!ニュースの場合はトピックスに上がる記事が対象となるnews.yahoo.co.jpから収集。以下のグラフでも同様)
BuzzSomoで収集したデータをもとにTableauで作成。(※追記8月27日17:00:データは各メディアの代表的ドメインから収集した。Yahoo!ニュースの場合はトピックスに上がる記事が対象となるnews.yahoo.co.jpから収集。以下のグラフでも同様)

縦軸が各メディアの1記事当たりのソーシャルメディアでの「平均シェア数」、横軸が各ドメインで解析対象になった「記事本数」、円の大きさは平均シェア数に記事本数をかけた「総シェア数」を意味している。

平均シェア数では、バズフィードが5000超と抜きん出た位置にいる。同じくソーシャルメディアでの拡散力が強いハフィントンポストと比べてもその優位性は際だつ。赤色の円で示した海外勢と青色の円で示した国内勢を比べると、縦軸の平均シェア数で国内外メディアにくっきりと差がついていることもわかる。

お互いに補い合えるBuzzFeedとヤフー

有料課金モデルのサイトと無料の広告モデルのサイトでシェアのされやすさには大きな違いがある。だが、バズフィードは他の無料サイトと比べても断トツの拡散力を持つ。バズフィードの日本進出に際してパートナーとなるヤフー・ジャパンは、プレスリリースで両社の協力態勢について、こう記した。

BuzzFeedとして初めてとなる現地企業との合弁事業会社「BuzzFeed Japan」は、BuzzFeedの持つソーシャルメディアと親和性が高いコンテンツ制作技術や「Yahoo!ニュース」の持つ知見やトラフィックを活かし、日本のユーザーのニーズに合わせたニュースメディアを提供します。
BuzzFeedとヤフー、「BuzzFeed Japan」を設立 今冬、日本向けBuzzFeedを創刊

月間100億PVの巨人ヤフー・ニュースですら、BuzzSumoのデータでは記事1本あたりの平均シェア数はバズフィードにはまったく届かない。「ソーシャルメディアと親和性が高いコンテンツ製作技術」のノウハウはぜひとも学びたいところだろう。

では、バズフィード側から見たヤフーと組むうまみは何か。上の図で示されるような、日本メディアの平均シェア数の少なさは、日本におけるソーシャルメディアとニュースの親和性に懸念を抱かせるのに十分だ。その意味で、ソーシャルの力を借りずとも、ニュースポータルとして読者数を他を圧倒するまでに伸ばしたヤフーの日本のニュース市場開拓力は魅力的に映るだろう。

バズフィードのグレッグ・コールマン社長(プレジデント)は自社ブログで、ヤフー・ジャパンについて「日本の中で圧倒的な力を持つデジタル企業で、国内のほぼすべてのインターネットユーザーへリーチ」しており、「バズフィード・ジャパンに日本のマーケットについてアドバイスし、読者を流入させる」と述べ、連携の重要性を強調している。

拡散力の決め手はフェイスブック

国内外のメディアでソーシャルメディアの拡散力にこれほど差がつくのはなぜか。決め手はフェイスブックでのシェア数だ。

BuzzSumoで集計したデータから作成
BuzzSumoで集計したデータから作成

ツイッターやその他のソーシャルメディアでの拡散力については、国内外メディアに大差はない。ソーシャルメディア上での拡散力を競う主戦場が、フェイスブックになっていることを示すデータだ。

国内勢で健闘しているメディアは東洋経済オンライン

最後に国内メディアに焦点を絞ってみる。米国発祥のハフィントンポスト日本版、他メディアとはつくりが異なるNAVERまとめは除いて、改めて下の図にまとめた。

平均シェア数では、東洋経済オンラインが他の国内メディアの倍以上と健闘している。全文を無料公開している広告モデルで拡散されやすいという点だけでなく、フェイスブック上で拡散しやすい見栄えのする写真付きのコンテンツを定期的に投稿するなどフェイスブック運用の工夫が結果を生んでいるようだ。

BuzzSumoで収集したデータをもとにTableauで作成
BuzzSumoで収集したデータをもとにTableauで作成

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