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漢検が謎のイメチェン 「読めへん…書けへん…ほな、漢検」が話題に
日本漢字能力検定(漢検)のポスターが「センス良すぎ」と話題になっています。
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日本漢字能力検定(漢検)のポスターが「センス良すぎ」と話題になっています。
その年の世相を漢字1字で表す「今年の漢字」で知られる、公益財団法人の「日本漢字能力検定協会」(本部・京都市)。年3回実施している日本漢字能力検定(漢検)のポスターが「センス良すぎ」と話題になっています。今年のキャッチフレーズは「読めへん…書けへん…ほな、漢検」です。
漢検は協会が年3回実施している検定試験です。漢字の意味を理解して、文章や会話の中で正しい日本語が使えるようになるのが狙いで、毎年200万人以上が受検しているといいます。
協会では毎年、書店などに貼ってもらう個人受検者向けと、小中学校などの団体受検者向けに、2種類のポスターをつくって配布しています。話題になっている「読めへん…書けへん…ほな、漢検」は今年の個人向けのもので、ネット上では「めっちゃ好き」「リズム良すぎ」などと好評です。
かつては「入試に有利」といったフレーズで実利をアピールしてきましたが、ここ数年は攻める姿勢のポスターが増えています。今年の個人向けのフレーズは「青春には間違えられない時がある」。ラブレターと思われる手紙に赤ペンで漢字間違いを指摘されている内容です。
「始(初)めて校(講)堂で合(会)った日から好きでした。ずっと一諸(緒)にいたいです。僕の変(恋)人になってください。お返事持(待)ってます」
お堅いイメージのある協会に起こった変化。いったい何があったのか? 協会普及部のPR担当・時田菜摘子さんに聞きました。
――今年の「読めへん…書けへん…ほな、漢検」はどういった経緯でつくられたのですか?
「ポスター制作にあたっては毎回、広告会社や印刷会社によるコンペを実施し、出てきたアイデアの中から協会の考えやテーマに合ったものを選んでいます」
――採用した決め手は?
「PCの普及で漢字を書く機会が減って、漢字能力に不安を感じている現代人の心理を、浮世絵の表情を通じてユーモア豊かに表現したのが採用の決め手になりました」
――堅いイメージのある協会ですが、最近はやわらかいポスターが増えているように感じます
「どうして?と聞かれると、理由は思い浮かびません。担当者が変わった、といった事情もありませんし。私見ですが、これまでは実利を訴求して、受検するメリットをしっかり伝えようという考えだったのが、見た人のイメージに訴求することに協会が力を入れ始めていることのあらわれでしょうか」
――今後のポスター制作は?
「漢字・日本語の大切さや美しさを伝えたいと考えています。堅苦しく思われがちな協会や検定のイメージを変え、親しみを持っていただきたいと思っています」
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