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45分で完売した「網走監獄和牛」とは? A5ランクも続出
45分で完売した「網走監獄和牛」とは?最高品質のA5ランクも続出しており、俳優の杉良太郎さんらが試食しました。
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45分で完売した「網走監獄和牛」とは?最高品質のA5ランクも続出しており、俳優の杉良太郎さんらが試食しました。
北海道の網走刑務所で育てられた肉牛「網走監獄和牛」を食べる試食会が26日、東京・霞が関の法務省でありました。「特別矯正監」を務める俳優の杉良太郎さんらが、ステーキなどに舌鼓をうちました。
網走刑務所は全国の刑務所で唯一、和牛の飼育に取り組んでいます。受刑者に様々な知識や技能を習得してもらうことを目的とした「刑務作業」の一つです。
受刑者たちは、刑務所から約7キロ離れた刑務所用地「二見ケ岡農場」の宿泊施設に住み込み、100頭余りを飼育しています。この農場には受刑者の逃走を防ぐ塀がないため、飼育に携わるのは仮出所が近い人たちです。
元々は素人ですが、専門職員の指導を受け、日本食肉格付協会の等級で最高ランクの「A5」を獲得する牛も。昨年は出荷した21頭中8頭の枝肉がA5評価を獲得しました。
なぜ、網走監獄和牛は人気なのでしょうか。
まず、30ヶ月という長い期間をかけてじっくり飼育しており、エサとなる牧草も自家製で無農薬です。約150ヘクタール(東京ドーム約30個分)という広大な牧草地も牛にとっては好環境。仔牛から同じ場所でずっと育てているため、他のブランド牛のような移動のストレスもありません。
この日の試食には、杉さんのほか、矯正支援官を務める音楽グループ「MAX」のLINAさんやMINAさん、各刑務所の慰問を続け「受刑者のアイドル」と呼ばれる女性デュオ「Paix2」(ぺぺ)の2人も参加し、その味わいを絶賛しました。ちなみに、今日の肉代は“杉様”のポケットマネーだそう。
これまで出荷した肉は農協系の組織などを通じて北海道産和牛として流通してきましたが、刑務所前で売店を経営する会社がその一部を仕入れ、昨年11月に地元の矯正展で販売したところ、わずか45分で完売。その後も注文が相次ぎ、網走刑務所前の売店でも今年3月に売り始めました。
肉はステーキや焼き肉、すき焼き用などがあり、100グラム350円~1千円ほど。
商品名の「網走監獄」は明治から大正時代にかけての網走刑務所の名称。かつては凶悪犯や政治犯が収容されていましたが、いまは懲役10年未満の受刑者約千人がいます。