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映画『ビリギャル』主演の有村架純「無理にテンション上げず演技」
映画「ビリギャル」の主演・有村架純さん、難しい役どころへの思いを語ってくれました。
有村架純さん主演の映画「ビリギャル」が1日、公開されました。原作はベストセラーの本「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」ですが、主役の女子高生は金髪姿で言葉遣いも難しい役どころ。どんな思いで演じたのか、有村さんが語ってくれました。
勉強は学年ビリで、友達とカラオケやクラブで遊ぶことが楽しみ。金髪にメイクばっちり、口調は「超○○!」……。そんな、自分と「真逆」の高校生・さやか役を演じるにあたり、「いかに自分らしく、無理なく演じるか」を真剣に考えたという。
「テンションを無理に上げて皆がイメージする『ギャル』っぽさを表現すると、たぶん見ている人に『無理やりやってるな』と見えちゃう。そうすると一気に気持ちが冷めちゃうし、最後まで見るのはきついと思ったんです」
演じる役柄の表面的なキャラクターに惑わされず、その人を突き動かすエネルギーがどこから来ているのか、人として持っている本質は何かを見つめることで、人物像をつかまなければ--。そんなことを大事に考えるようになったのは、ここ1年のことだ。
「今までは外側の部分ばかり考えてしまっていた」
2年前の朝の連続ドラマ「あまちゃん」以来、テレビドラマや映画にひっぱりだこだ。昨年は100人以上のキャストが参加した舞台「ジャンヌ・ダルク」で主演を務め、「『いい舞台にしたい』という私の思いを皆が感じて下さって、真剣に向き合ってくれた。初めて人の心を動かすことができた」と充実感を感じた。演技への熱意が一層高まったそのタイミングで、出会ったのがさやか役だ。
さやかは友達をかばって自分だけ停学処分を受けたり、バラバラになりかけている家族に本音で向き合ったりする。「自分のためだけではなく人のために何かができる子だ」と思った時、「根本」にたどりついた気がした。
知識を身につける喜びを知ったさやかは、有名大学合格という夢に向かってひたむきに勉強する。そんな彼女の表情が次第に引き締まっていく様を、生き生きと表現した。成績が上がらず悩んだり悔しがったりする姿には、中学3年で女優を志し、夢をかなえるまで平坦な道のりではなかった自分の姿も重なった。
演技についての質問に、静かな口調ながら熱っぽく語る。「私と、私が演じる役柄はある意味一心同体。役の思いを私も背負ってる」
この真面目さと可憐さのミックスが絶妙だ。
(朝日新聞文化くらし報道部 丸山ひかり)
ありむら・かすみ 1993年兵庫県出身。2010年の「ハガネの女」でドラマデビュー。「あまちゃん」「ようこそ、わが家へ」などに出演。映画は「思い出のマーニー」「ストロボ・エッジ」など。「ビリギャル」は1日公開。
映画「ビリギャル」学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話