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茨城県が間違えた県民の日 指摘したのは入試ミス発見の達人だった
茨城県が説明を間違えていた「県民の日」。指摘した塾の講師、金子直樹さんは、これまでにもたびたび入試問題の誤りを指摘してきた、エキスパートでした。
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茨城県が説明を間違えていた「県民の日」。指摘した塾の講師、金子直樹さんは、これまでにもたびたび入試問題の誤りを指摘してきた、エキスパートでした。
茨城県が30年以上、「県民の日」を誤って説明していました。県立高校の入試問題に使われたことで発覚したこの騒動。指摘した福岡市の塾講師、金子直樹さんは、これまでにもたびたび入試問題の誤りを指摘してきた、エキスパートでした。
2008年、九州の有名私大が経済学部などの入試で、日本史に出題ミスがあったと発表されました。律令制度の労役に関する設問で、全員を正解扱いになり、21人が追加合格。このミスを指摘したのは、金子さんでした。
金子さんは、福岡県内の私大で日本史を学び、卒業後は「大好きな日本史を教えたい」と学習塾に就職。現在は、福岡市で塾講師をしています。
初めは「相手にされないのでは」との気後れがあり、大学に伝えなかったそうです。しかし、疑問に感じる出題が次々見つかり、「受験生のことを考えると放っておけない」という思いが強まり、。2006年春に初めて、九州の大学に指摘しました。
ミスの見極めは自分の知識に頼らず、必ず日本史の専門書で確認するそうです。多いのは、選択式の問題なのに正解がない例。解答例と自分の答えが食い違い、間違いがわかったこともあります。
茨城県は「県民の日」について、ウェブサイトで「県域に『茨城県』が置かれ、初めて県名が用いられた日」と説明していました。ところが、県の誕生は実はその翌日でした。今春の県立高校入試で問題文に使われたのを金子さんが発見して、県に指摘しました。
県によると、制定当初は「茨城県という名称が初めて用いられた日」と広く解釈していました。いつから混同が始まったかは不明ですが、少なくとも1984年発行の県史に「県が誕生した」との記述があり、誤った説明は30年以上続いたとみられます。
県教委によると、県内の公立小学校の副読本も県の誕生を「11月13日」としており、中学校でも同様に教えている可能性が高いそうです。