話題
ジンバブエの「独裁者」ムガベ大統領、象料理で91歳祝い健在PR
南部アフリカ、ジンバブエのムガベ大統領が、91歳の誕生日を祝うパーティーを開催。象の肉料理が振る舞われ、健在ぶりをアピールしました。
話題
南部アフリカ、ジンバブエのムガベ大統領が、91歳の誕生日を祝うパーティーを開催。象の肉料理が振る舞われ、健在ぶりをアピールしました。
南部アフリカ、ジンバブエのムガベ大統領が2月28日、91歳の誕生日を祝うパーティーを開催。象の肉料理が振る舞われ、健在ぶりをアピールしました。1980年の独立時から30年以上実権を握り、欧米から「独裁者」と非難される一方で、「引退するとしたら100年後かな」と豪語するアフリカ最高齢の国家元首。健康不安もささやかれる中、その動静が注目されています。
AFP通信などによると、誕生パーティーは世界遺産ビクトリア滝周辺のリゾートホテルであり、七つの巨大なケーキが飾り付けられ、象の肉も振る舞われました。グレース夫人に付き添われて、91個の風船を空に放ちました。
この派手なパーティーは、健康不安説を打ち消す狙いもあるとみられます。
AP通信によると2月4日、首都ハラレの空港での演説後、演壇から降りる際に階段を踏み外しました。
その瞬間を撮影したカメラマンは、当局から写真の消去を命じられたといい、地元報道によると、「機敏に対応しなかった」警備担当者ら27人が停職処分になりました。
ジンバブエは人口約1300万人。タバコや綿花の栽培が盛んで、ニッケルなど鉱物資源も豊富です。英国領でしたが、少数白人への黒人の独立闘争を経て、80年に独立しました。「民族解放」を訴えて独立闘争を展開したムガベ氏は、「国民の英雄」としてずっと政権の座にあり続けています。
2000年以降、ムガベ氏は少数白人の農地を強制収用し、数十万人の黒人に無償で割り当てました。この措置に欧米が激しく反発し、経済制裁によってインフレと財政破綻に苦しみました。
08年にあった大統領選では、第1回投票でムガベ氏の得票率を上回った野党・民主変革運動(MDC)のツァンギライ議長派を、ムガベ氏派が弾圧。約200人の死者が出て、ツァンギライ氏は決選投票から撤退しました。
13年の大統領選では、ツァンギライ氏に約2倍の大差を付つけてムガベ氏が6選。相手陣営が選挙無効を求めて提訴しましたが、裁判所は却下しました。
米外交専門誌フォーリン・ポリシーは10年の「世界独裁者番付」で、北朝鮮の故・金正日(キムジョンイル)総書記に次いでムガベ氏を2位に選んでいます。
一方で、ジンバブエは初等教育の充実で識字率は9割に上り、公共インフラの整備や治安の良さは、アフリカでトップクラスとされています。
欧米の「ムガベ批判」に反発する国民は少なくなく、「白人から土地を取り戻すのは当たり前。経済低迷は欧米の制裁のせいだ」との声も聞かれます。
ムガベ氏は13年6月、朝日新聞記者との会見で、自らの進退について「引退の選択肢はない」「引退するとしたら100年後かな」と語り、政権維持に意欲を示していました。
「モンスター・ムガベ、いつ死ぬんだと欧州の人々は言うが、私は生きている。ここにいるのはゴーストじゃない」とも話しています。