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渡辺喜美氏、落選確実 みんなの党元代表、父・美智雄氏の地盤失う
みんなの党の代表だった渡辺喜美氏が落選。創設したみんなの党は解党し、父・美智雄氏から受け継いだ栃木の長年の地盤も失う結果となりました。
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みんなの党の代表だった渡辺喜美氏が落選。創設したみんなの党は解党し、父・美智雄氏から受け継いだ栃木の長年の地盤も失う結果となりました。
みんなの党の代表だった渡辺喜美氏(わたなべ・よしみ、62)の落選が確実になりました。14日に投開票された衆院選、栃木3区で無所属で立候補しましたが、自民前職の簗和生氏(やな・かずお、35)に破れました。1963年に初当選した実父の故・渡辺美智雄元副総理の強固な地盤を引き継ぎ、これまで当選6回。自民でも民主でもない「第3極」をめざしてみんなの党を創設し、国政選挙のたびに議席を伸ばしてきましたが、党は解党し、自身も議席を失う結果となりました。
渡辺氏は1952年、栃木県の西那須野町(現那須塩原市)生まれ。栃木県立大田原高校、早稲田大学政経学部、中央大学法学部を卒業し、父で衆議院議員だった美智雄氏の秘書を務めます。96年に初当選し、98年の「金融国会」では金融再生法の成立に貢献して“政策新人類”と呼ばれました。
06年に第一次安倍内閣で行政改革・規制改革担当大臣、07年には金融・行政改革担当大臣を務めたことから、「安倍首相とは個人的に近い関係」とも指摘されています。
渡辺氏は2009年、自民党を離党して江田憲司氏らと5人でみんなの党を結成。「官僚主導から政治主導へ、中央集権から地域主権へ」と訴え、13年には衆参両院で36議席まで党勢を拡大しました。
しかし、今年3月に化粧品大手ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長からの8億円の借り入れ問題が発覚。党代表を辞任していました。新代表となった浅尾慶一郎氏(50)とは野党再編など党の運営方針をめぐって対立。民放の報道番組で「あなたは不見識」「いや、おかしいのはそちらだ」とののしりあうほどでした。
こうした借金問題や内紛で党は分裂。先月28日に解党し、渡辺氏は比例復活のない無所属で出馬していました。安倍首相との関係から、当選後の自民党への「復党」や政権への協力も噂されていましたが、有権者は厳しい判断を下しました。
渡辺氏は父親譲りの歯切れのいい弁舌が特徴。栃木弁を交えながら、時の政権に是々非々で臨む政治姿勢に人気もありました。
2013年4月の予算委員会では「安倍自民党総裁は、物価安定目標、大胆な金融緩和、リフレーション政策を掲げた。これはみんなの党が結党以来言ってきたこと」と評価。一方で同年12月の国家基本政策委員会で「自民党政権がおごりによって民主主義を愚弄(ぐろう)するような印象を与えたら、輝ける日本は作れません」と苦言も呈しており、自在な物言いは国会でもテレビカメラや記者らを集めてきました。政界をかき混ぜてきた“風雲児”が今後、どう振る舞うのか。注目されます。