最高裁「本人同意ない降格は不当」
判決によると、女性は2008年、理学療法士として勤めていた広島市の病院で、妊娠したために負担の軽い業務を希望したところ、新たな業務に就く際に病院側から副主任の肩書を外され、月9500円の副主任手当を失った。
上告審で女性側は「上司から電話1本で降格を告げられただけで納得していない」と主張。病院側は「同意を得ており、(降格は)裁量権を逸脱するものではない」と反論していた。
マタハラの違法性について初判断を示した最高裁
出典:imagia
職場の3大ハラスメントの一つ
妊娠・出産・育児という状態で行われるハラスメントのため、女性の泣き寝入りが多いのが、露見してこない理由と考えられます。
その一方で、2012年に日本労働組合総連合会が行った調査では、25.6%(4人に1人)がマタハラ被害を受けたとの結果があり、水面下には多くの泣き寝入り女性がいると思われます。
マタハラの4類型
出典: 朝日新聞
妊娠経験の4人に1人「マタハラ受けた」
マタハラを受けた本人が違法だと気がつかず、泣き寝入りする例は多い。妊娠を理由に解雇や退職を強要することは均等法で禁止されている。また労働基準法は妊婦の時間外労働の免除や仕事の軽減を規定。育児・介護休業法は、3歳までの短時間勤務制度の整備を企業に義務づけている。
だが調査では、法律の存在や中身を「知らない」という回答が全体の半数にのぼった。解雇や退職強要に対して均等法には罰則がない。このため経営者は違法とわかっていながら退職を強要する例もある。
出典: はびこるマタニティーハラスメント 妊娠・出産を理由に解雇などの嫌がらせ :朝日新聞(2013年7月23日)
マタハラに当てはまるケース
出典: 朝日新聞
上告女性「これまで何度も憤り、傷つき、悔しい思いした」
「安心して子を宿し、子を産み、子を育てながら、働きがいのある仕事を続けられるようになってほしい。そのために、今日の判決が役立ってほしいと切に願っています」。上告した女性はコメントの中で、マタハラに苦しむほかの女性たちを思いやった。
マタハラnetのメンバーら。「勇気をもらった」と、最高裁判決を評価した=2014年10月23日
出典: 朝日新聞