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すき家 「2店でまだワンオペ」市民団体調査 会社側は否定
「すき家」は、過酷だと指摘されていた深夜の1人営業「ワンオペ」を今月から中止した。これを受け全国の店舗を調べた市民団体が15日、「2店でワンオペをしていた」と発表した。ただ、すき家を運営するゼンショーホールディングスは否定している。
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「すき家」は、過酷だと指摘されていた深夜の1人営業「ワンオペ」を今月から中止した。これを受け全国の店舗を調べた市民団体が15日、「2店でワンオペをしていた」と発表した。ただ、すき家を運営するゼンショーホールディングスは否定している。
牛丼チェーン「すき家」が、過重労働と指摘されていた従業員1人による深夜営業「ワンオペ」を今月から中止したのを受けて、全国の店舗を調べた市民団体が15日、「2店でワンオペをしていた」と発表した。ただ、すき家を運営するゼンショーホールディングスは否定している。
調査したのは、弁護士らでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」。11日午前1~5時、メンバーや賛同者が東京や大阪など7都道府県の83店を訪ね、ワンオペかどうかを従業員に聞きとった。結果はホームページでも公開している。
調査に対し、都内の2店が「いまでもワンオペを実施している」と答えた。すき家は今月から深夜(午前0時~5時)のワンオペをやめ、人手が確保できない店舗の深夜営業を中止すると発表している。
団体事務局の今岡直之さんは、「ワンオペをなくすと約束したのに、いまだに改善されていない。自主的な調査を求めていきたい」。今後は同業他社やコンビニにも調査を広げたいという。
これに対し、ゼンショーの広報は「どう調査したのかはわからないが、指摘の2店は複数で勤務していたと確認している」と反論している。
調査で新たな問題点も見えてきた。ある従業員は「深夜のワンオペは解消されたが、2人勤務の確保は午前6時まで。メニューが煩雑で、客も多い朝食時間帯はワンオペになる」。他店の従業員も「(深夜帯前の)午後10~11時はワンオペだ」と話す。
外国人従業員の姿も目立った。14店を回った都内東部では、ほぼすべての店舗に外国人がおり、2人とも外国人の店舗も2店あった。ある従業員は「ほとんど日本語を話せない人もいる。接客ができず、2人勤務になっても楽にはなっていない」。従業員が女性だけの店もあった。
こうした過酷な労働を、中京大学の大内裕和教授(教育社会学)は「ブラックバイト」と呼ぶ。「いまの若者たちは、厳しい経済状況の中で育ってきた。ワンオペのような働き方も当然のことのように受け入れてしまう。一種の洗脳だ」と指摘する。