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旧陸軍が沈めた幻の戦車チト クラウドファンディングで浜名湖探査へ

旧陸軍が1945年8月の敗戦直後、浜名湖に沈めたという幻の戦車チトを本気で探そうと、地元の人たちがクラウドファンディングで資金を集めています。

四式中戦車チト。終戦直後に千葉市内で撮影されたとみられる
四式中戦車チト。終戦直後に千葉市内で撮影されたとみられる 出典: 模型メーカー「ファインモールド」提供

目次

旧陸軍が1945年8月の敗戦直後、浜名湖に沈めたという幻の戦車チトを本気で探そうと、地元の人たちがクラウドファンディングで資金を集めています。

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敗戦直後、秘密を隠すため沈める

戦車チトは、秘密を隠すため旧陸軍によって沈められたと言われています。場所は、浜名湖と猪鼻湖(いのはなこ)をつなぐ瀬戸(水深約16メートル)付近とされています。

終戦直後に旧陸軍が猪鼻湖に沈めたと伝わる「幻の戦車」を探すプロジェクトを指揮する中村健二さん(中央)=2012年11月25日、浜松市北区三ケ日町
終戦直後に旧陸軍が猪鼻湖に沈めたと伝わる「幻の戦車」を探すプロジェクトを指揮する中村健二さん(中央)=2012年11月25日、浜松市北区三ケ日町

装甲厚く、2両だけ生産

チトは全長6・3メートル、全幅・全高2・9メートル。75ミリ砲を搭載し、装甲も最大75ミリと厚かったようです。試作段階で2両しか生産されず、1両は米軍に引き渡されたとか。「秘密兵器なので米軍に渡せない」と言われたという元戦車隊技術兵の証言もあるそうです。

四式中戦車チト。終戦直後に千葉市内で撮影されたとみられる
四式中戦車チト。終戦直後に千葉市内で撮影されたとみられる 出典: 模型メーカー「ファインモールド」提供
地元男性が生前、「上官から『秘密兵器なので米国に渡せない』と言われた。湖の深い場所を探し、別の戦車2両と一緒に沈めた」と話すのを聞いたという。
2012年10月29日:幻の戦車、湖を探れ 街おこし「旧日本軍が隠した」に迫る 浜松・浜名湖 [朝日新聞紙面から]

町おこしのため、発見に挑戦

戦車を探しているのは地元の人たちで作る「スマッペ」というグループ。2012年11月、「幻の戦車を見つけて町おこしをしたい」と計画を立案。これまで何度も水中を調べてきました。

猪鼻湖底で人工物が発見されたと聞き、ダイバーを見守るスマッペのメンバーや地元住民ら=2013年1月6日、浜松市北区三ケ日町
猪鼻湖底で人工物が発見されたと聞き、ダイバーを見守るスマッペのメンバーや地元住民ら=2013年1月6日、浜松市北区三ケ日町
スマッペは、「幻の戦車を見つけて町おこしをしたい」と計画を立案。2012年11月、ボートから鉄管を突き立てて水底を探り、調査を始めた。
静岡)まぼろしの戦車を探せ、磁気探査へ 浜松・三ケ日:朝日新聞デジタル

いまだ発見には至らず

「戦車らしき物体発見」という報告は何度もありましたが、どれも浴槽だったり、いかだだったりしたそうで、なかなか戦車は姿を現してくれていません。

猪鼻湖中で戦車の探索を終えて戻るダイバーら=2013年1月5日
猪鼻湖中で戦車の探索を終えて戻るダイバーら=2013年1月5日
だが確認すると、プレジャーボートだったり、いかだだったり、浴槽だったり、いすだったり、岩だったり。いまだに発見に至っていない。
静岡)まぼろしの戦車を探せ、磁気探査へ 浜松・三ケ日:朝日新聞デジタル

泥の中でもわかる磁気探査へ

戦車は目に見える状態ではないと判断し、今度は磁気探査を実施することに。そのための資金を、インターネットの「クラウドファンディング」を活用して募ることにしました。

クラウドファンディングのページ
クラウドファンディングのページ 出典:浜名湖に隠された旧日本軍の戦車を磁気探査によって発見したい!(中村 健二) - READYFOR?
磁気探査では物体が泥の中に埋もれていても金属製のものがあれば感知できるという。
静岡)まぼろしの戦車を探せ、磁気探査へ 浜松・三ケ日:朝日新聞デジタル

地元に伝わる「戦車伝説」

地元のお年寄りには「戦車伝説」は昔からあったそうです。「クラウドファンディング」は、11月29日午後11時までに360万円以上集めることが目標。資金が集まれば来年早々にも探査するそうです。

猪鼻湖の底で見つかった人工物。戦車との関連について結論は出なかった=2013年1月6日、浜松市北区三ケ日町、山本祐司さん撮影
猪鼻湖の底で見つかった人工物。戦車との関連について結論は出なかった=2013年1月6日、浜松市北区三ケ日町、山本祐司さん撮影 出典: スマッペ提供
地元のお年寄りの多くは「戦車伝説」を以前から聞いて知っている。
静岡)まぼろしの戦車を探せ、磁気探査へ 浜松・三ケ日:朝日新聞デジタル

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