エンタメ
【講評】たのしいジジネタンカ 笹公人選 「妖怪ウォッチ」
時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「妖怪ウォッチ」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。
エンタメ
時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「妖怪ウォッチ」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。
時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「妖怪ウォッチ」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。
「第二のポケモン」ともいわれる「妖怪ウォッチ」。
作者は、ポケモンに夢中になっていたお子さんの影響で、
自然とポケモンキャラをたくさん覚えてしまったのでしょう。
妖怪ウォッチブームにかつてのポケモンブームを重ねて、
子育てに奔走していた時代を懐かしんでいます。
「妖怪メダル」を得るために、整理券を持って炎天下にだらだら並ばされている親たち。
こんな苦行はこの夏で終わりにしてくれ〜!という親の叫びが込められています。
そういう親たちも小さい頃は、「スーパーマリオ」だ「ミニ四駆」だと
親に似た思いをさせているはずなので、許してあげたいところです。
「怨念飛ばし」が妖怪にかかっているところも鋭かったです。
アイロニーの歌として読みました。
メダルというからには重量があって錆びるものであってほしいと思うのは、
世代による感覚なのでしょうか。
プラスチックの軽さが今っぽいです。
笹 公人(ささ・きみひと)
1975年東京生まれ。歌人。「未来」選者。
歌集に『念力家族』、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』。
他に『念力姫』、『笹公人の念力短歌トレーニング』、
絵本『ヘンなあさ』(本秀康・絵)、和田誠氏と共著 『連句遊戯』、
朱川湊人氏との共著 『遊星ハグルマ装置』など。
イラスト・杉木ヤスコ