お金と仕事
すき家経営の小川社長、ブラック企業批判に「生理的嫌悪」 再生誓う
牛丼チェーン大手のすき家を経営するゼンショーホールディングス。小川賢太郎社長は会見で、「ブラック企業」と批判されることへの思いを語った。
お金と仕事
牛丼チェーン大手のすき家を経営するゼンショーホールディングス。小川賢太郎社長は会見で、「ブラック企業」と批判されることへの思いを語った。
牛丼チェーン大手のすき家を経営するゼンショーホールディングス。小川賢太郎社長らが6日夜に急きょ会見し、社是とも言える「全店24時間営業」からの転換を打ち出しました。
深夜にアルバイトが1人で勤務する「ワンオペレーション(ワンオペ)」を9月末までに廃止し、それができない店舗では10月以降の深夜営業をやめる方針です。
かつて中退した東京大学で「東大全共闘」の一員として活動した経験もある小川社長。会見の最後に、自らが築き上げた会社が「ブラック企業」と批判されることへの思いを吐露しました。
そのうえで、日本の外食産業のトップ企業として、再生する決意を語りました。
少々長いですが、その部分の全文を掲載します。
記者:これまで「ブラック企業」という呼ばれ方をしてきたことについて。24時間営業を維持しながら採算を合わせようということで、ワンオペが導入されたと思う。今回、24時間営業をやめるということは、ブラック企業と呼ばれないようにする、というゼンショーのメッセージか?
小川社長:前回の記者会見でも申し上げたが、ブラック企業というのは僕はあまり好きじゃない。
他社でも言われてるところがあるようだけど(笑)。つまりレッテル貼りですから。ここが悪い、というところならいろいろあると思うんですが、一括して昔の「アカ」呼ばわりみたいなことは非常に・・・意味が人によって違うし、思考停止になってしまう。
「あいつはコミュニストだ」「ああ、そうかアカだ」とこういう時代があったわけですから、それは僕はいちばん嫌いですから、生理的嫌悪感をもよおします。
だけど、言われたということにおいては、メンバー全員悔しい思いをしてます。
この地上から飢餓と貧困をなくそうということを(※会社の)憲章にも書いて、それをやりたいという人が新卒でも中間採用でも集まった企業ですから。
理念に共鳴して、逆に労をいとわず働いたからけしからんと・・・そこに悔しい思いがある。
ワンオペというのは利益のために何が何でもやれというものではない。
労時(労働時間1時間あたりの売り上げ)というのは生産性を示す指標だが、経営的には「脇の指標」だった。1時間といったって単価が違うから。
給料の高い人が(店舗に)入れば全然違ってくるわけですから。じゃあ労時が何かというと、目安だ。
自分たちがやってることの仕事の密度をみる。1日4回シメをやって、きょうは労時がいくらだったと、そういう目安。労時が高すぎればマネージャーに調整してもらうとか、そういう調整を日常的にやっている。
そうした中で、夜中はそうしても入客が少ないですから、自然に投入人員が減った。午前0時とか1時とか、夜でも入客の多い店は(※従業員を)2人や3人にしてる。
そういう15分単位できめこまかいシフトコントロールをやったから、後発で1店舗から始めて2千店までこれたという面もあるんです。
ただ、日本で外食を代表する企業になって、“しのごの”はもう通用しないステージになった。
社内でもですね、創業からのいろんなステージがあるけど、いまは当然、法令厳守、遵守じゃなくて「厳守」といってる。
きちんとした労働環境で、自分の勉強する時間をつくり能力を高めていい仕事をやろう、こういうステージに来たということですね。
それを徹底的にやりたい、やるべきだと。じゃないと我々の先はない。
記者:尊敬されるようなトップ企業になりたいと?
小川会長:そうですね。ありていに言えばそれが求められてる。
見本というとおこがましいけど、こうあるべきだという形を我々がこれから作っていかねばならない。
それが社会的責任になってきた。
今回、第三者委員会に厳しいご指摘を頂いたことは、いい機会だととらえています。