- リクエストの内容
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大分前から「○○させていただきます」という言葉がTVでも普通の会話でも聞かれます。また、「個人的には」という言葉も聞きます。
時代背景、社会的背景、いつ頃から多くなった、等、整理して、且つ言語的な良し悪しを解説して欲しいです。
わたしは、こういう言葉を使わないようにしています。逃げているように感じるかは。
kazz
2014年07月23日
■「させていただく」は変ですか?[回答者数:4202人]
変だ 19%
どちらかといえば変だ 36%
どちらかといえば変じゃない 29%
変じゃない 16%
出典: 朝日新聞、「be」2010年9月4日
いや、見事に意見が割れました。アンケートで「『○○させていただく』という言葉遣いは変だと思いますか」と尋ねたら、「最近の嫌いな言葉第1位」という激しい拒絶もあれば、「昔から使っている。どこがおかしいのか」と擁護する声もあり、正に真っ二つ。言葉って難しい。
出典: 朝日新聞、「be」2010年9月4日
反発する人の拒絶感は強い。
「へりくだっているようで、上から目線の言葉。経営者などから『この条件でさせていただく』といわれると、逆らうなという強いプレッシャーを感じる」(東京、50歳女性)という声が代表的。「ていねいに見えて、これほど一方的で押しつけがましい言葉はない」(奈良県、78歳男性)、「初めて聞いたときはバカにされているのかと面食らった。公務員や年配の人も使っているが、何と軽薄なと思う」(千葉県、26歳女性)など激しい意見も。
逆に「違和感があるという意見を初めて知った」(東京、43歳女性)という声も多い。「何の抵抗もなく常時使っている」(神奈川、72歳女性)、「どうおかしいのですか?」(大阪府、45歳男性)などがそうだ。
出典: 朝日新聞「be」2010年9月4日
出典:imasia
この言葉の歴史は案外古そうだ。佐賀県の73歳女性は「小学校の卒業前、担任から『他人に何かをするときは必ず、させていただくという言葉で接せよ』と厳しく指導され、それ以来何の違和感もなく使ってきた」。
誰が話しているのが気になったかという点では、橋本龍太郎元首相、鳩山由紀夫前首相の名前がよく挙がった。この言葉は左欄にあるように、「相手の許可を得て自分が恩恵を受ける」という意味合いがある。政治家が使うと、「そんな政策、許可した覚えはない」という反感を呼び起こすのだろう。
出典: 朝日新聞、「be」2010年9月4日
「be」2010年9月4日
出典: 朝日新聞
とはいえ、便利なのでつい使ってしまうという声も多数。
「会議の原稿で『させていただく』を全部『いたします』に直したが、本番ではつい『させていただく』と言ってしまった」(東京、61歳男性)、「目上の人と商談する際にこの言葉は有効で、話がスムーズに進むことが多かった」(東京、65歳男性)。
ややこしいのが、明示的ではないが暗黙の許可があるといった「見立て」が可能な点だ。「本日、休業させていただきます」という使い方では、別に客は明示的に許可してはいないが、暗黙に認めていると見立てる余地はある。これがこの言葉の増殖を生んでいるようだ。
出典: 朝日新聞、「be」2010年9月4日
北原保雄・筑波大名誉教授
出典: 朝日新聞