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同性愛公表の米国総領事、日本への最後のメッセージ(動画あり)
同性愛を公表し、LGBTの権利擁護を積極的に訴えてきた大阪・神戸アメリカ総領事館総領事のパトリック・ジョセフ・リネハンさんが任期を終え、帰国する。日本へ最後のメッセージをもらった。
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同性愛を公表し、LGBTの権利擁護を積極的に訴えてきた大阪・神戸アメリカ総領事館総領事のパトリック・ジョセフ・リネハンさんが任期を終え、帰国する。日本へ最後のメッセージをもらった。
大阪・神戸アメリカ総領事館総領事のパトリック・J・リネハンさんは「夫」のエマーソン・カネグスケさんとともに同性愛を公表している。日本でゲイやレズビアン、バイセクシャル、トランスセクシャル(LGBT)への理解や権利向上を訴えてきた。
3年間の任期を終え、離日前にカネグスケさんと共著で本を出した。題名は「夫夫円満(ふうふえんまん)」。「ファゴット(ホモ)」といじめられた少年時代について、2人の出会い、外交官としての活動、そしてLGBTを理解するためのメッセージやQ&Aをまとめている。
日本の学生を招き、領事館で開いていた討論会のエピソードが本の冒頭で紹介されている。
その日の議題は「尊敬するリーダー」。ある女子学生に「あなたの尊敬するリーダーとその理由はなんですか?」とリネハンさんが質問すると、こう答えたという。
なぜ、表舞台に立ち、積極的に同性愛を語るのか。2012年に朝日新聞の人物紹介欄「ひと」の取材でこう話している。
記者(古田)が初めてリネハンさんを取材したのは2013年4月、東京で開かれたプライドパレード。LGBTが多様性の大切さを訴えるイベントで、リネハンさんは壇上から「すべての人々に平等な権利を!」と呼びかけ、カネグスケさんとキスをした。会場は拍手と歓声で包まれた(動画の1分50秒からリネハンさん)。
7月21日に東京で離日前のリネハンさんを囲む会が開かれました。LGBTの当事者や支援者が参加する中、リネハンさんはこう言いました。
「差別はされる側ではなく、する側の問題です。私たちが黙っていたら何も変わりません。権利のために立ち上がり、声をあげましょう。他の人のためにも。学校や職場でいじめられている人がいたら助けましょう。法律に問題があるならば、法律家や議員とともに変えていきましょう」
LGBTの当事者ではないけれども、平等な権利を持つよう支援する人たちは「アライ(Ally=協力者)」と呼ばれ、世界で広がっています。
リネハンさんはこう言っています。
2人に日本を離れる前に最後のメッセージをくださいとお願いすると、こう書いてくれた。
「私たちは全ての人が平等な権利を持つと信じています。それぞれに違うすべての人々に敬意を表します。自分らしく生きましょう。自分に誇りを持ってください。そして、他の人々もそうあることができるよう助けましょう」 パトリック・J・リネハン
「親愛なる日本。平等な社会をつくりあげる準備はできていますよ。みなさんを愛しています」エマーソン・カネグスケ