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たのしいジジネタンカ 笹公人選 題「東京オリンピック」
時事ネタを短歌にする「たのしいジジネタンカ」。題「東京オリンピック」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。東京音頭、東洋の魔女、AKB48…個性的な作品が集まりました。
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時事ネタを短歌にする「たのしいジジネタンカ」。題「東京オリンピック」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。東京音頭、東洋の魔女、AKB48…個性的な作品が集まりました。
時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「東京オリンピック」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。東京音頭、東洋の魔女、AKB48…個性的な作品が集まりました。
第一首は、未来予想図系ジジネタンカ。ハードコアといっても、パンク、ヒップホップ、テクノなどいろいろありますが、これはきっとハードコアテクノのアレンジでしょう。十分ありえる光景ですが、「ハードコアテクノ」と「東京音頭」の組み合わせが異色で笑いを誘います。着物姿の人型ロボットがキレ味の鋭い踊りを披露したりとか、様々な珍演出を妄想させてくれます。
第二首は、回想系ジジネタンカ。歌のモデルになっているのは、「東洋の魔女」(日紡貝塚女子バレーボールチーム)の主将・河西昌枝選手。結婚を先延ばしした河西選手は、大松監督へのささやかな抵抗として、怪我をするおそれがあるにもかかわらず、爪を伸ばし、試合時もマニキュアを塗っていたといいます。作者は、河西さんの勇気ある行動に不屈の乙女精神を感じ、共感したのでしょう。
下の句は単純に、東京オリンピック当時、作者は乙女だったという事実の表明ともとれますが、河西選手へのリスペクトならびに、「あの頃の女たちは、スポ根レベルで乙女を表現していたんだぞ(いまの森ガールとか気合入れろ)」という誇りを詠んだ歌として読みたいところです。視聴率66.8%を記録した伝説のテレビ中継をリアルに体験した人ならではの説得力も感じました。
第三首も、未来予想図系ジジネタンカ。指紋まで映るという噂の「4Kテレビ」。鼻毛どころか指紋まで映ってしまうというのはどうなんでしょう。テレビに出る仕事の人たちにとっては、ますます厳しい時代になっていきそうです。さて、2020年頃には、4Kテレビが主流になっているのでしょうか。「AKB48」と「4」と「K」の文字が共通しているところもポイントです。