話題
データで見るW杯 日本代表が決勝Tに進む可能性は4.1%?
サッカーW杯の日本代表が1次リーグを勝ち抜く可能性は?世界のメディアがデータジャーナリズムに基づいて予想。朝日新聞やハフポも取り組む報道の新手法を紹介します。
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サッカーW杯の日本代表が1次リーグを勝ち抜く可能性は?世界のメディアがデータジャーナリズムに基づいて予想。朝日新聞やハフポも取り組む報道の新手法を紹介します。
ここまで白星のない日本代表、25日の1次リーグ最終戦に勝ち、決勝Tに進む可能性はあるのか。米ネットメディア「FiveThirtyEight」がはじき出した確率は4.1%だ。
ギリシャ戦前までは10.4%だったが、引き分けに終わったことで一桁台に落ちた。一方、ニューヨーク・タイムズのサイト「The Upshot」は日本代表の決勝T進出を10%と推計。ブルームバーグはコロンビアと53%の確率で1対1で引き分けると見ている。
これらの数字はサッカージャーナリストの取材や経験に基づくものではない。統計の専門家らがチームの戦績や選手データなどを元に導き出した科学的な推計だ。
例えば、FiveThirtyEightの創設者ネイト・シルバーも元々はデータアナリスト。2012年の米国大統領選で、50州中50州の予想を的中させたことで有名になったが、政治取材の経験があったわけではない。どうやって的中させたのかを聞かれ、彼はこう言ったそうだ。
「データを数学で分析すればわかることだ」
このような報道手法はデータジャーナリズムと呼ばれ、欧米を中心に広がっている。
データを統計的に処理し、機械がはじき出した予想。果たして、信頼性はどれほどのものだろう。
金融大手ゴールドマンサックスの予想を見てみる。優勝ブラジル、2位アルゼンチン。
エコノミストは21.0%の確率でブラジルが優勝、2番手にスペイン(7.6%)を挙げている(ちなみに日本優勝の確率は0%と予想)。
前出のブルームバーグは、ブラジル対スペインの決勝で60%の確率でブラジルが勝つと予想していた。各メディアの予想はバラバラなうえに、有力チームに挙げられていたスペインが1次リーグで早々と敗退したことからも、サッカーW杯に関してはデータジャーナリズムに基づく予想の信頼性はそれほど高くなさそうだ。
Q&Aサイト「Quora」にはFiveThirtyEightの予想に批判的な質問が寄せられ、データサイエンスマネージャーのヤイル・リブニ氏がこう答えている。
「サッカーの結果は、予想よりも不安定なものだ」
彼によると、ブラジルが優勝する確率は60%以上。その理由に開催国の有利さを挙げている。データサイエンスの専門家だが、サッカージャーナリストの分析に近いように感じる。
朝日新聞デジタルでも日本代表の試合データのグラフをリアルタイムに更新している。ゴールシーンはアニメーションで再現、シュートした選手やゴールキーパーの視線などでプレーを再現できる。
ザ・ハフィントンポスト日本版では、パスの動きをグラウンド上に再現した表現が人気となっている。
これらのグラフの元となるデータは、朝日新聞やハフポのものではない。世界中でスポーツデータを収集・分析する企業Opta(本社・ロンドン)が提供しており、朝日新聞やハフポはそこから買っている。(なので、これらのデータを無断転載している人はOptaに怒られるかも!!)
Opta社によると、サッカーに関しては「ボールに関わる全てのプレー」をリアルタイムにデータ化している。データ数は、シュート、パス、インターセプトなど1600項目。時間帯別、エリア別など細かな分析と視角化が可能だ。
今回のW杯では、約250社にデータを提供しており、これは4年前の前回W杯に比べて約3倍だという。データジャーナリズムが爆発的に広がっている証拠とも言える。
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