ネットの話題
自転車、ぜったいに見失わない 〝ナン〟みたいなサドルカバーが話題
「サドルってナンみたいだなぁって」
駐輪場に並ぶ、同じような見た目の自転車。「どこにとめたっけ?」と見失うことがないよう目印になる「サドルカバー」がSNSで話題です。サドルの形をうまく利用した発想。メーカーに話を聞きました。
SNSで話題になっているのは「ナンのサドルカバー」。ガチャガチャ自販機で手に入るカプセルトイです。
ナンを忠実に再現した柄もさることながら、サドルにフィットしたときの形に注目が集まりました。
Xでは「見事なナンっぷり」「考えた人天才やな」「食べたくなる」と話題になり、すでに手に入れている人からは「無駄に手触りが良いのも面白い」と好評でした。
「ナンのサドルカバー」を作ったガチャガチャメーカー、ターリン・インターナショナル(東京都)に話を聞きました。
なぜ、〝ナン〟をサドルカバーにしようと思ったのでしょうか。
担当者は「以前、インドカレーを食べに行った際に、とっても大きいナンが出てきたのですが、その形があまりにもサドルに似ていたので、『これはサドルカバーにするしかない!』と思い、すぐに企画書にまとめました。〝サドルみたいなナン〟があるのなら〝ナンみたいなサドル〟も作らなきゃ! という使命感です」と語ります。
こだわったのは、「リアルなナン」に見えること。そのため、カバーには〝本物のナン〟の写真を印刷しています。
「理想的な焼き目がついたナンに出逢うまで、何度もナン度もインドカレー屋さんに足を運びました」
カプセルトイ化に成功したナンは全部で4種類。「プレーンナン」のほか、先端に緑色のカレーが付いている「サグ(ほうれん草)シーフードカレー付きナン」、「バターチキンカレー付きナン」そして、「タンドリーチキン付きナン」。
どれも、まるで本物のような照りが再現され、おいしそうです。
Xで「無駄に良い」と話題になった手触りについては、「生地にもこだわっておりまして、本物のナンのようにしなやかでのびやかな質感の生地を選びました!」。
ただのおもしろ商品と思いきや、そこには切実な開発者の「悩み」もありました。
担当者は「私自身よく自転車に乗るのですが、駐輪場で自分の自転車を見失うことがあるのです」。
そのため、遠目からでも、自転車を見分ける目印になるものがあれば「とても便利」と、需要を見込みました。
その見立て通り、7月に発売し、約6万個を出荷したそうですが、「発売数日で既に完売した」という店舗もあるなど、反響が寄せられています。
ただし、サドルカバーは目印として使うことを目的として作られているので「走行中は使用しないでください」と呼びかけています。
SNSでの反響は「かつてないほど大きなもの」だったそうで、「大変驚いています」。
「まずは、ナンとサドルの形が似ていることに共感してくれている人がたくさんいて嬉しいです! それ以上に実際に購入していただいたお客様の投稿で多くの人が盛り上がりを見せており、大変嬉しく思います」
かつては、スーパーからの帰り道、袋から飛び出しがちな長ネギを収納するための「ねぎ袋」を発売して話題になったターリンインターナショナル。
ガチャの商品開発について、こんなモットーを語ってくれました。
「他社にはない発想を、他社に先んじて商品化することです。キャラクター商品ではなく、とがったアイディアで業界内やユーザーに喜びや驚きを提供したいと考えています!」
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