ネットの話題
「アク取り」なのに水がすくえる!?あくまでパフォーマンス動画です
実演動画がたびたび話題になっています
ただの水をすくうとそのまま残るのに、「アク」があると「アク」だけがおたまに残る。そんな不思議な「アク取り」のおたまが、SNSでたびたび話題になっています。もともとは展開を縮小していた商品ですが、ネットでの反響が大きく、在庫切れが続出する人気商品となりました。
4月上旬、ツイッターに投稿された動画。おたまの形をしたアク取りで、水をすくう様子が映し出されています。
スリットが入っているにもかかわらず、「ただのお水の場合すくえます」とテロップが。続いてアクが入っている水をすくうと、アクだけが残りました。動画は1200万回以上再生されています。
投稿したのは、岩谷マテリアルが製造する耐熱のポリ袋「アイラップ」の公式ツイッター(@i_wrap_official)です。動画で紹介した商品「あくとりさん」の販売窓口の立場にあり、たびたびSNSで発信してきました。
ツイッター担当者によると、あくとりさんを紹介して最初にバズったのは5年前の2018年12月26日にさかのぼります。
商品の紹介はそれ以前もしていましたが、12月に実演動画をあげると「びっくり!!!」「ほしい」と反響があり、1万以上の「いいね」がつきました。
ツイッター担当者は、「弊社が取り扱うもので、あまりスポットを浴びていない商品も紹介しようと日々発信するなかの一つが、あくとりさんでした」と話します。
「もともと私はいちユーザーとして愛用していたのですが、有能な商品ですし、他の人にも知ってもらいたいと思いました。動画は、Twitterのフォロワーとのやり取りの中で説明が難しかったため、営業が展示会で実演していたのをそのまま真似て撮りました」
#あくとりさん は、本来使われない技術を使って加工しているので、その表現は間違ってはいないですね😂
— アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) April 5, 2023
開発者(車部品メーカー社長)がしゃぶしゃぶを食べに行ったとき、お店のアク取りがひどく使いづらかった事に腹を立て…自分が納得するモノを作ったのがはじまりです☝️pic.twitter.com/YmwmxhK65j https://t.co/1TkhHF0q6W
動画がバズると、「この商品は何?」と問い合わせが殺到したといいます。
当時あくとりさんは、サイズやデザインを数種類展開していましたが苦戦していて、現在販売している「あくとりさん中」以外は廃番の方向となっていたそうです。
開発職として働いているツイッター担当者は、「いい商品が不遇なかたちでなくなるのは、ものを作る立場としては悲しいことです。みなさんの目に触れて『なんだこれ?』と気づいてもらうことや宣伝の大事さを感じていて、定期的に紹介するようにしています」と話します。
「あくとりさんが完全復活したのは、自分の中では世の中への一番の貢献になったと思っています。面白ツールではなく、アク取りとして評価されていてうれしいです。生活を豊かにするのが私の使命であり、会社の使命。その意味でみなさんに届いたことは私の中で自信というか、よかった体験として残っています」
とはいえ、当時は商品を縮小しているなかでのバズりはありがたい半面、仕事納めの時期に出荷業務など対応に追われました。あくとりさんは大量生産している商品ではなく、職人が一つ一つ作っているそうです。
ツイッター担当者は「商品の供給にご迷惑をおかけした」と反省もありました。
製造メーカーTERNAの販売担当者は、当時バズったことに対して「正直驚きました。仕事納めの頃でしたので生産計画を立てるのが大変だったのを覚えております」。
5年ぶりの大きな反響にも、「たくさんの方にあくとりさんを知ってもらえるきっかけとなりうれしかったです」と話します。
あくとりさんは、表面張力を利用して水がすくえる仕組み。しかし、水をすくってみせるのは「商品に興味を持っていただくためのパフォーマンスとなりますので、実際にはお水をすくうことを目的とした商品ではございません」と念押しします。
誕生のきっかけは、「開発者がしゃぶしゃぶを食べに行ったとき、お店のアク取りが使いづらかった」こと。目詰まりせずに洗いやすく、アクを取る以外にもカス揚げや豆腐すくいなどに使えるそうです。
人気商品のため品薄になっていますが、TERNAの担当者は「現在フル稼働で生産しており、順次出荷しております。今後は在庫が安定するように、さらに生産体制を整えていく予定です」と話しています。
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