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「顔芸が神ってるww」缶入りコンポタのつぶつぶをきれいに飲む装置
「顔芸が神ってるww」「守りたいこの笑顔」――。新作の発明品の紹介動画をSNSで発表するたび、作品のみならず、出演者でもある自身の「顔芸」に注目が集まる発明家がいます。この冬に発表した、缶入りコーンスープなどの〝つぶ〟をきれいに飲むための装置「つぶつぶトルネード」でも絶賛されました。本人に取材しました。
発明家は、カズヤシバタさん(28) @seevua 。めざすのは「ギリギリ役に立つ発明」です。
「つぶつぶトルネード」だけでなく、「筒状の容器に入ったポテトチップスに指が届かない問題」を解決する「チップスリフター」など、一見するとネタのような発明をしています。しかし、確かな技術で作られているのが特徴。シバタさんは、近畿大学理工学部卒で、企業でロボット開発に携わっていたこともあります。
そんなシバタさん。発明品と同様に注目を集めるのが「顔芸」なのです。
昨年11月に「つぶつぶトルネード」の動画をツイッターにアップすると、瞬く間に拡散されました。動画の視聴回数は280万回程度で、「いいね」は10万件を超えています。
「無駄に洗練された、無駄の為に作られた技術」といった発明品への称賛はもちろん、「顔芸が神ってるww」「守りたいこの笑顔」などのコメントも寄せられました。
つぶつぶが入った缶スープを綺麗に飲むための装置「つぶつぶトルネード」を開発しました。 pic.twitter.com/YJccb8nG0O
— カズヤシバタ(KAZUYA SHIBATA) (@seevua) November 22, 2022
「つぶつぶトルネード」は、一口飲んだ後のつぶ入り飲み物をセットすると、独特のシェイクによって、つぶつぶを飲み口付近まで浮かび上がらせてくれる装置です。
「どうすれば、中身をこぼさず、効率よくつぶを浮かび上がらせるかが難しい点でした。試行錯誤しました」とシバタさん。近所の自動販売機で、試作品づくりのため、数十本のコーンスープを買ったそうです。自身でも不便さを感じていたほか、ツイーターのフォロワーからもお悩みが寄せられていたため、開発を決めたそうです。
制作期間は1週間ほど。費用は3万円程度でした。
この紹介動画は46秒。自動販売機でコーンスープを買ったシバタさん。ほくほく顔で飲もうとしますがコーンが出てこず。両手を上げ、天を仰ぎます。
しかし、「つぶつぶトルネード」を使うと一転して、喜びの表情になります。
シバタさんは、発明品の紹介動画のエンターテイメント性を高めるために、「顔芸」も研究しています。
「実際に、テレビ番組などを参考に、おもしろい顔を画像保存して研究するなどしてきました」。漫画でも、気になったコマがあれば画像を保存し、紹介動画で生かせるよう練習しているそうです。
幼い頃から、手品で人を驚かせることが好きだったと話すシバタさん。発明のみならず、紹介動画も凝るのは、見る人を楽しませてきたシバタさんならではのこだわりです。
今回の動画では、「※全ての粒を飲み干せるわけではありません」と、テレビショッピングを彷彿とさせる注意書きが添えられています。また、動画の終盤では、缶の底をトントンとたたいている姿も映し出され、「キラッキラな笑顔なのに飲み干せないんかい!」などと、ツッコミを浴びています。
シバタさんに尋ねると、確かに全て飲み干せないこともあるそうです。その上で、こう付け加えました。
「もちろん、発明である以上、成功をめざしていますし、その時点でよいと思うものを制作しています。ただ、試行錯誤を続けて、さらによいものを作っていきたいという思いもあるのです。その意味で、製品は全て途上のものです。注釈を入れたり、トントンした様子を入れ込んだりしているのは、見て下さった方向けへの弁明でもあるのですが(笑)、改良すべき点として自分自身に言い聞かせているものでもあります」
筒の奥にあるチップスがせり上がる「チップスリフター」を作りました。 pic.twitter.com/NF89eRubqZ
— カズヤシバタ(KAZUYA SHIBATA) (@seevua) September 21, 2022
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