こうしたチャレンジはより過激になる傾向にあり、「頭蓋骨破壊チャレンジ(skull breaker challenge)」といった動画も流行しました。
「頭蓋骨破壊チャレンジ」とは、主に3人で行われ、真ん中1人がジャンプ。その間に、両脇の2人が足を引っ張るなどして、ジャンプした人を転倒させるというものです。
TikTok skull-breaker challenge danger warning - BBC News
https://www.bbc.com/news/technology-51742854
その危険性は言うまでもなく、負傷者が続出し、世界的に問題になりました。他にも市販薬を過剰摂取するチャレンジや、最近では階段状に積み上げた箱を歩くチャレンジなどが登場しています。
こうした危険なチャレンジは、運営側がその危険性を認識すると、「検索結果はありません」「このフレーズはコミュニティガイドラインに違反する言動またはコンテンツと関連している可能性があります」などとして、非表示になります。
しかし、前述したさまざまなチャレンジが生まれては消えるように、いたちごっこになるのが現状です。
こうした問題には、その本質が子どもの「遊び」であること、そしてTikTokというSNSの特性を理解して対応する必要があります。
そもそもTikTokにはハッシュタグをつけて「やってみた(=チャレンジ)」を投稿する文化があり、人気の歌やダンスなど、同じことに複数のユーザーが挑戦し、動画を投稿してブームを作ってきました。
リアルの場でも、クラスで新しい「遊び」を発明した同級生が人気者になる、ということがあるでしょう。それが一瞬で日本全国に、さらに世界に波及するのがSNSということになります。
一方で、「遊び」には流行り廃りがあります。特にSNSではこの人気者の度合いがフォロワー数やいいね数、視聴回数といった指標で明示されるため、飽きられたら新しい「遊び」を発明しようとする力学がより強く働くことになります。
より“ウケ”る動画を撮影したい――TikTokでの危険なチャレンジを追っていくと、このような欲求が例えば「寄り目」から「失神」、そして「頭蓋骨破壊」へとエスカレートしていく構図が垣間見えます。