連載
#73 ○○の世論
オンライン会議の実態は「パジャマで」が46% カメラオンルールも
「鏡がわりに自分の顔ばかり」
コロナ下の在宅勤務で、普及が進んだオンライン会議。便利ではありますが、自宅で会議に参加する時のドレスコードは? 会議中にチャイムがなったら……。経験者1千人に聞いたネット調査で実態を探ってみました。(朝日新聞記者・四登敬)
オンライン会議中の経験について、ありそうないくつかの事例を挙げ、あてはまるか、あてはまらないかを尋ねました。
「パジャマや短パンなど職場ではしない格好をしていたことがある」は46%、「チャイムの応対や洗濯など家事をしていたことがある」人も45%、どちらも半数近くいました。「参加メンバーと裏でSNSなどのやりとりをしていたことがある」人は20%、「会議が始まるギリギリまで寝ていたことがある」人も17%いました。
一方、会議に臨む意識についても質問すると、「参加者は身だしなみを整えるべきだ」は48%でした。ただ、身だしなみを重視する人が、パジャマで会議に参加していないかというと、そうでもありません。
「身だしなみを整えるべきだ」と答えた人でも、44%が「職場ではしない格好をしていたことがある」と答えました。
「会議中に個人的な用を足すのはよくない」と考える人も45%いる一方、そう考える人でも、44%が「家事をしていたことがある」。
「べき論」どおりにはいかないようです。
では、何がオンライン会議への姿勢を決めているかと言うと、カメラ=「他人の目」に鍵があるようです。
オンライン会議のときに使うパソコンのカメラについて、「できれば自分のカメラはオフにしておきたい」人は65%でした。カメラオフ派に限ると、「職場ではしない格好をしていたことがある」は57%、「家事をしていたことがある」も55%と、高めでした。
ネット調査の回答者の中で、協力がいただけた方にはインタビューをしました。
その1人、東京都内の不動産会社に勤める女性(47)は、「見えるところは、ちゃんとする。見えないところはOKという感じ」と話します。上半身は仕事着でも、下半身はジャージといった、ちぐはぐな格好で会議に出ることもあるそうです。
一方、大阪市の契約社員の女性(53)は、「カメラはオフにしておきたい」と思っている一人ですが、自宅でも勤務時間はビジネスカジュアルな服装に着替えていると言います。「働いてお金をいただくので、気分的なものではありますが、切り替えるようにしています」。仕事と家事の時間もきっちり切り分けているそうです。
生活の場である自宅で仕事をする中で、切り替えの難しさが、思わぬハプニングをうむこともあります。調査での自由記述や、取材で答えていただいたエピソードをご紹介します。
ちなみに、会議中のカメラのオン・オフの職場ルールは、まだ定まっていないようです。
「ルールはない」が51%と半数を超え、「常時オン」と「発言時はオン」がそれぞれ17%、「常時オフ」も13%いました。
自宅モード優先の人、カメラに映るところと映らないところで使い分ける人、仕事モードに切り替える人と、新しい働き方への向き合い方は様々です。無理にルールを定めない方が働きやすいのかもしれません。
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