実は、連載中にホリエモンさんがTwitterで今作を「全然わかんない」って紹介してくれたんです。私は「そうだろうな(笑)」と思うともに、とても健全だと感じました。「わかる」という共感だけが集まるのはおかしいから。だって、他の人のことを本当に「わかる」なんて、すごく難しいことじゃないですか。
他の人には理解できないかもしれない私の考えすぎの「おかしみ」の向こうに、人によって違う生きにくさというものの正体が見えてくればいいかな、と。手本ではなく、サンプルを提示しているような感覚です。「こういう人もいるので、よろしくお願いします」というマンガですね。
――作品をうまく言い表わしていますね。
くだらないようでいて、それをマンガにしていくことには少なからず意味があると信じています。前作である、父のアルコール依存で家庭が崩壊した実録エッセイマンガ『酔うと化け物になる父がつらい』(秋田書店)を出版したとき、アルコール依存症の患者を身内に持つ人からの反響がたくさん寄せられて。
【参照】父はアルコール依存、母は新興宗教…娘が親を「他人」と思えるまで
「自分も同じように考えすぎてしまう」「自分だけでないとわかって少し楽になった」という声をいただいたんです。それがすごくうれしかったから。