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ネットの話題

「正論で殴れる」メリケンサック!?苦い感情、ユーモアで包んで形に

ネガティブな意味を逆手に取ったアイデア商品

ネガティブに使われがちなネットスラングを、笑いに変えたアイデア商品です
ネガティブに使われがちなネットスラングを、笑いに変えたアイデア商品です 出典: 吉田りょうさんのツイッター(@Mach1ne_4423)

目次

インターネットの世界では、しばしば「正論で殴る」という表現が使われます。一般的に正しいとされる意見でもって、度が過ぎるほど、他人を批判することを指す慣用句です。否定的に用いられがちなフレーズですが、この言葉から生まれた「メリケンサック」が、ツイッター上で話題を集めています。苦い感情をユーモアで包み込み、多くの人々を笑顔にした製作者に、話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)

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論破できない相手に「正論パンチ」!?

「正論で殴れるメリケンサック作りました。論破出来なかった相手に正論パンチ(物理)をしたい方にオススメです」。7月10日、そんな文言とともに、2枚の画像がツイートされました。

写っているのは、透明な素材で作られたグッズ。持ち手となる部分に四つの穴が空き、指を通して握れるようになっています。その上部には、「正論」の2文字が突き出るようにかたどられており、何ともシュールな見た目です。

「めっちゃ笑った」「相手が壊れるのか、それとも正論が砕かれるのか」。読者からは、肯定的なコメントが続々と寄せられました。20日時点で25万超の「いいね」がつき、リツイート数も7万近くに上っています。

「完全に冗談で作ったグッズ」

メリケンサックを生み出したのは、吉田りょうさん(22・@Mach1ne_4423)です。「筋電義手」と呼ばれる身体補助器具の開発・製造企業「Artificial Limb Technologies」(神奈川県海老名市)を昨年6月に立ち上げ、代表取締役社長を務めています。

幼い頃からものづくりに親しみ、大学では機械工学を専攻した吉田さん。趣味でルームライトを手がけ、関連映像をツイッター上に投稿するなど、プライベートでも製作に没頭しています。

約2カ月前には、各種素材の切断に用いられる「CO2レーザー加工機」という業務用機器を、個人で使うため海外から輸入しました。活用法を考える中で、ネットスラングである「正論で殴る」というフレーズが頭に浮かび、具現化しようと思い立ったそうです。

パソコン上で図面を引き、材料のアクリル板を切り出すまで、わずか15分ほど。「何となく形になりそうだな、という気持ちで取り組みました。完全に冗談で作ったグッズです。画像をツイートしてみたら、思った以上に拡散されてしまい、驚いています」

加工機によって切り出される、正論メリケンサック
加工機によって切り出される、正論メリケンサック 出典: 吉田りょうさん提供

人殴らず、観賞用として楽しんで

画像を見た人々からは、「どうやったら買えますか?」との声が数多く上がりました。そこで、1個あたり3500円(送料別)で販売すると告知したところ、その日のうちに100件近い注文が舞い込んだといいます。

小売店を経営する企業からも、店頭で取り扱いたいと連絡があり、目下交渉中なのだそう。製品に関心を寄せる人々に対して、吉田さんは次のように語りました。

「メリケンサックの形をしていますが、絶対に人を殴ってはいけません。文字の部分は強度が低く、実用に適さないという事情もあります。家の中などに飾り、鑑賞するといった形で楽しんで頂けたらうれしいですね」

負荷が加わると、文字の部分が根元から折れてしまうため、「人を殴ってはいけません」と吉田さんは語る
負荷が加わると、文字の部分が根元から折れてしまうため、「人を殴ってはいけません」と吉田さんは語る 出典: 吉田りょうさん提供

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