ネットの話題
「正論で殴れる」メリケンサック!?苦い感情、ユーモアで包んで形に
ネガティブな意味を逆手に取ったアイデア商品
インターネットの世界では、しばしば「正論で殴る」という表現が使われます。一般的に正しいとされる意見でもって、度が過ぎるほど、他人を批判することを指す慣用句です。否定的に用いられがちなフレーズですが、この言葉から生まれた「メリケンサック」が、ツイッター上で話題を集めています。苦い感情をユーモアで包み込み、多くの人々を笑顔にした製作者に、話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
「正論で殴れるメリケンサック作りました。論破出来なかった相手に正論パンチ(物理)をしたい方にオススメです」。7月10日、そんな文言とともに、2枚の画像がツイートされました。
写っているのは、透明な素材で作られたグッズ。持ち手となる部分に四つの穴が空き、指を通して握れるようになっています。その上部には、「正論」の2文字が突き出るようにかたどられており、何ともシュールな見た目です。
「めっちゃ笑った」「相手が壊れるのか、それとも正論が砕かれるのか」。読者からは、肯定的なコメントが続々と寄せられました。20日時点で25万超の「いいね」がつき、リツイート数も7万近くに上っています。
正論で殴れるメリケンサック作りました。
— (株)吉田@ものづくり (@Mach1ne_4423) July 10, 2020
論破出来なかった相手に正論パンチ(物理)をしたい方にオススメです。 pic.twitter.com/wxMTqsDGMR
幼い頃からものづくりに親しみ、大学では機械工学を専攻した吉田さん。趣味でルームライトを手がけ、関連映像をツイッター上に投稿するなど、プライベートでも製作に没頭しています。
約2カ月前には、各種素材の切断に用いられる「CO2レーザー加工機」という業務用機器を、個人で使うため海外から輸入しました。活用法を考える中で、ネットスラングである「正論で殴る」というフレーズが頭に浮かび、具現化しようと思い立ったそうです。
パソコン上で図面を引き、材料のアクリル板を切り出すまで、わずか15分ほど。「何となく形になりそうだな、という気持ちで取り組みました。完全に冗談で作ったグッズです。画像をツイートしてみたら、思った以上に拡散されてしまい、驚いています」
画像を見た人々からは、「どうやったら買えますか?」との声が数多く上がりました。そこで、1個あたり3500円(送料別)で販売すると告知したところ、その日のうちに100件近い注文が舞い込んだといいます。
小売店を経営する企業からも、店頭で取り扱いたいと連絡があり、目下交渉中なのだそう。製品に関心を寄せる人々に対して、吉田さんは次のように語りました。
「メリケンサックの形をしていますが、絶対に人を殴ってはいけません。文字の部分は強度が低く、実用に適さないという事情もあります。家の中などに飾り、鑑賞するといった形で楽しんで頂けたらうれしいですね」
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