連載
#30 #やさしい日本語
ネットで「草」と言われた外国人「芋って返しました」日本語の不思議
大草原不可避www
この
【機械翻訳用】ふりがな なし
◆ネットで「草」と言われた外国人「芋って返しました」
日本語の不思議 辞書に載っていない日本語、学校で習わない日本語を、外国人と一緒に考えました。インターネットで見かける「www(草)」。最初に聞いたブルネイ出身のデイヴィッドさんは「たぶん、何かを書きたくて、間違えたんだと思いました。それとも、冗談を言ったのかもしれません。僕は『芋』と返事をしました」。当たり前のように使っている言葉を外国人の視点で考えてみたら、日本人にも気づきがあるかもしれません。
■きょうのことば
草……土に生えている植物のことです。でも、面白いことがあったときに「笑う(Warau)」という意味で使うことがあります。「Warau」の最初の文字「W」が、土に生えている草のように見えるからですwww(草に見えますか?)
■英語ではgrass?
あなたは、インターネットのコメントや、会話の中で、「それって草」「草生える」と言われたことはありますか? 名古屋市に住んでいるブルネイから来た会社員デイヴィッドさんは、ある日、tiktokのデイヴィッドさんの動画に、「草」とコメントしている人を見つけました。コメントは「草」という字だけでした。デイヴィッドさんは、「草」という漢字をまだ知らなかったので、草について調べました。
――どうやって調べましたか?
デイヴィッドさん 〈私はまず「草」の意味をgoogle翻訳で調べました。英語では「grass 」です。どうして「草」? 意味を調べても、分かりませんでした〉
――それから、どうしたんですか?
デイヴィッドさん 〈私は何も返事を書かないと失礼だと思いました。「草」とコメントした人は、たぶん、何かを書きたくて、間違えたんだと思いました。それとも、冗談を言ったのかもしれません。僕は「芋」と返事をしました〉
――芋! なぜ芋と書いたんですか?
デイヴィッドさん 〈草は土から生えるでしょう? おなじように土から育つもので、最初に考えたのが「芋」でした〉
――「草」の本当の意味は分かりましたか?
デイヴィッドさん 〈はい。次の日、日本人の妻に聞きました。僕が「芋」と書いたのを知って、妻は笑いました。妻との会話が面白かったので、「草」についての会話で 、tiktokの動画を作りました〉
――この動画は、とても人気になりましたね
デイヴィッドさん 〈再生回数が100万回を越えました。驚きました。コメントもたくさん来ました〉
――コメント欄に、たくさん「草」が生えていますね。
「草すぎワロタ」
これは「面白すぎて、笑った」ということですね。
「大草原不可避」
「大草原」はたくさん草が生えている場所です。「不可避」はここでは「どうしてもそうなります」ということで、「どうしても笑います」という意味です。面白くてたくさん笑ったので、wwwwwと草がたくさん生えてしまったのですね。 「面白すぎて森」 「草」がいっぱいになると、森になるのですね。コメント欄で、また新しい日本語を知りました。
――「これからは『芋』だな」というコメントもありますね
そうです。僕が間違えて返した「芋」が人気になりました。「さつまいも」「焼き芋」というコメントを書いた人もいます。今では、僕の動画のコメントには「草」ではなくて、「芋」と書く人がいます。
――「草」を初めて知ったという外国人のコメントもありました。
「日本人から『草』と言われたとき、いつも『クソ』だと思っていました。発音が似ているから」
――「クソ」は悪い言葉ですね。「草」を「クソ」だと思っていた人は、悲しかったと思います。日本語には、伝わりにくい言葉もあります。
デイヴィッドさん 〈「草」を知らない人には、意味は伝わりにくいです。でも、「ネット用語」(インターネットで使う言葉)が、どんどん変わっていることを知るのは面白いです。 僕は日本に3年住んでいます。学校で日本語を勉強したことはありません。インターネットには、知らない日本語がたくさんあります〉
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