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「たきのこの山里」を自作 きのこ+たけのこ、争いに終止符打つ作品

「たきのこの山里」を自作した美術教師に聞きました。

パロディ作品「たきのこの山里」
パロディ作品「たきのこの山里」 出典: 橋村政海さん提供

目次

 明治が販売しているロングセラー菓子『きのこの山』『たけのこの里』。それぞれに根強いファンがいて、たけのこ党・きのこ党の人気投票も開催中です。そんな中、「どちらのファンも仲良くしてほしい」という思いを込めたパロディ作品『たきのこの山里』が注目を集めています。作者である美術教師に話を聞きました。

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こちらは本家・明治の「きのこの山」
こちらは本家・明治の「きのこの山」 出典: 明治提供
こちらは本家・明治の「たけのこの里」
こちらは本家・明治の「たけのこの里」 出典: 明治提供

たきのこの山里とは


 今月5日にツイッター投稿された画像。そこには、きのこ・たけのこによく似たパッケージの『たきのこの山里』が写っています。

 その名の通り2つを合体させたお菓子のようで、きのこ・たけのこが一つずつペアとなって、チョコがかかったクッキーでつながっています。

 本家が「明治」なのに対し、こちらは「昭和」とするなど、細部までこだわった逸品。実は本物のお菓子ではなく、粘土を使ったパロディ作品です。

 この投稿に対して、「素晴らしい出来」「たけのこ派ときのこ派が分かり合う日なんて来る分けない」といったコメントが寄せられ、いいねの数は20万近くまで伸びています。

パロディ作品「たきのこの山里」
パロディ作品「たきのこの山里」 出典: 橋村政海さん提供
パロディ作品「たきのこの山里」
パロディ作品「たきのこの山里」 出典: 橋村政海さん提供

作者に聞きました


 「こちらは2018年8月に作りました。2013年に一度作ったものをリニューアルしたものです」

 そう話すのは、高知県に住む美術教師の橋村政海さん(58)。たきのこの山里の作者です。

 大学時代にデザインを専攻した経験を生かし、漫画やパラパラアニメ、童話、粘土細工など、幅広いジャンルの作品を発表しています。

 中でも人気なのが、定番菓子のパロディ作品です。

 長さが通常品の5倍ほどある「たけのこの里ロング」や、本物のタケノコをチョコでコーティングした「たけのこの里ジャンボ」、毒キノコの「べにてんぐたけの山」、オリジナルの「えりんぎの丘」などがあります。

パロディ作品「たけのこの里ジャンボ」
パロディ作品「たけのこの里ジャンボ」 出典: 橋村政海さん提供
パロディ作品「えりんぎの丘」
パロディ作品「えりんぎの丘」 出典: 橋村政海さん提供

作り直した理由


 2013年に制作した、たきのこの山里は、たけのこの下にきのこのビスケット部分をくっつけたものでした。

 「きのこ派もたけのこ派も仲良くしてほしい」という思いで作ったものでしたが、「たけのこが上にあるので、たけのこの方が偉い」といったコメントが寄せられたそうです。

 どうしたらもっと仲良く見えるのか。そんな思いから再び制作することを決意。今度は上下ではなく横につなげることにしました。

 本家である明治では、昨年・今年と「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙」を実施していますが、このイベントを意識したわけではないそうです。

2013年に制作した「たきのこの山里」
2013年に制作した「たきのこの山里」 出典: 橋村政海さん提供

漫画家を目指した過去


 ツイッターのプロフィール欄に「画像は保存や転送など自由です」と書いている橋村さん。

 今回のたきのこの山里も、橋村さん本人のツイートではなく、作品を引用した他の人の投稿が注目を集めました。

 「何人かの人が『これ橋村さんの作品だ』と気付いて書き込んでくれていたのがうれしかったです」

 中学時代から漫画を描き続け、漫画家になりたいと思っていた橋村さん。

 描いた漫画の持ち込みなどもしましたが、大学を卒業するにあたって漫画家として生きていく自信が半分ほどしかなく、教職にも興味があったため、教師になる道を選びました。

 その後も漫画は描き続け、仲間とグループ展を開催したり、子ども向けの漫画教室を開いたり、漫画教材を作ったり、といった活動を続けています。

元教え子のお店に設置された「鰹の女神」。橋村さんがデザインしました
元教え子のお店に設置された「鰹の女神」。橋村さんがデザインしました 出典: 橋村政海さん提供

生徒たちへのメッセージ


 昨年は『竹になっちゃった たけのこの里』が注目を集めてテレビ取材が相次ぎ、授業風景の取材も受けました。

パロディ作品「竹になっちゃった たけのこの里」
パロディ作品「竹になっちゃった たけのこの里」 出典: 橋村政海さん提供


 普段から「大事なのは楽しかったかどうか。楽しければ上手になる。たとえ好きなことを仕事にしなくても、生活の中で役立つことはきっとあるよ」と生徒たちに話している橋村さん。

 取材を受ける自分の姿を見て、生徒たちも喜んでくれたし、こんなメッセージが伝わったのではないかと思っています。

 「もっとおもしろいことをやっていんだ。美術って自由に作っていいんだ。そう感じてもらえたんじゃないかな」

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