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飛鳥ナンバーの見本、乃木坂ファン狙い?「2046」に反応、真相は……
2020年から、奈良県の5市町村で交付が予定されている自動車の「飛鳥ナンバー」。先日「デザインがカッコよすぎと話題」という記事を配信したところ、ツイッターでは見本として紹介されたナンバー「20-46」に注目が集まりました。乃木坂46のファンから「狙っている」「偶然じゃない」という声が多かったこの番号。真相を調べてみると、まさに「奇跡のナンバー」でした。(朝日新聞記者・田中祐也、丹治翔)
話題になったのは、「飛鳥ナンバー協議会」がデザインの決定を発表した際に紹介したイメージ図です。朱雀がダイナミックに羽ばたく姿に、サンプルとして「飛鳥599 あ 20-46」というナンバーが記されています。
デザイン発表後から、飛鳥という名称にちなんで、乃木坂46の齋藤飛鳥さんと関連づけるツイートはあり、記事ではそのことにも触れて配信しました。すると、齋藤さんが現在20歳で、グループ名に46がつくことから、「20-46」という番号にも「寄せすぎだろ」「絶対に関係ある」というつぶやきが急増しました。
確かに、偶然にしてはできすぎている気がします。協議会の中にファンがいるのでは――。そこで再度、担当者に尋ねてみました。
担当者もこうしたつぶやきがあるのは把握していましたが、「番号は自分たちで考えたものではなく、まったくの偶然です。『あ』も最初から決まっていました」。国土交通省側から提示されたフォーマット通りに作ったそうです。
国交省にも聞いてみました。担当者は「20-46は数字の直線や曲線を網羅している番号なので、ナンバープレートの例になっています。事業用を示す『あ』もよく使います」と説明。道路運送車両法の施行規則にも掲載されている様式で、ナンバーの導入が決まった地方公共団体が見本を作る時にも参考にすることが多いそうです。
意図して作られたものではなかったことで、ファンから見れば奇跡的とも言える「飛鳥」「20」「46」がそろった「飛鳥ナンバー」。導入に向けて活動してきた奈良県橿原市の松尾高英議員(41)も「齋藤飛鳥さんのファンの反応は予想していなかった。光栄なことでありがたい」とSNSでの注目ぶりを喜んでいます。
2020年に交付が予定されている飛鳥ナンバーは、協議会に加盟する奈良県の橿原市、明日香村、田原本町、三宅町、高取町の5市町村で取得が可能です。松尾議員は「地域活性化のため、地元の商工会や青年会議所が一緒になって活動し、導入が実現した飛鳥ナンバー。飛鳥地域の歴史や文化に、関心を持ってもらえるきっかけになればうれしい」と話しています。
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