連載
#21 ネットの話題フカボリ
「くつろぐソファ」の意味が違う! カメラマンの勘違いで撮れた傑作
お互いの狙いが微妙にすれ違った結果撮れた珠玉の1枚とは?
「テレビ観てる感じの生活感あるソファ画像が欲しい」とカメラマンに発注したところ、届いた画像は――。あるソファ会社が商品紹介用に準備した写真が、ネット上で注目を集めています。お互いの思いが微妙にすれ違った結果撮れた「珠玉の1枚」について、担当者に話を聞きました。
今月10日、神奈川県にある国産ソファメーカー「セルタン」のツイッターアカウントが、こんなつぶやきを投稿しました。
「新作の巨大ビーズソファが大きすぎて使用イメージが湧きにくいので『テレビ観てる感じの生活感ある画像が欲しい』とカメラマンに頼んだ結果が此方です。そうじゃない」
添付された画像を見ると、テレビの前に大きなソファが3つ並んでいて、それぞれが腰をかがめてテレビを見入っているような構図になっています。
どうやら、発注した側はソファを使っている人がテレビを見ている場面を想定していたのに、カメラマンはソファが人のようにテレビを見ている場面をイメージして撮影したようです。
この投稿に対して、「センスあるのか天然なのか」「これはこれであり」「人間が悪い魔女からクッションに変えられた世界に見えます」といったコメントが寄せられ、リツイートは5万、いいねは11万を超えています。
新作の巨大ビーズソファが大きすぎて使用イメージが湧きにくいので
— ㈱セルタン採用チーム@とりこらぼ (@cellutane01) 2018年10月10日
『テレビ観てる感じの生活感ある画像が欲しい』
とカメラマンに頼んだ結果が此方です。
そうじゃない。 pic.twitter.com/k6WPweYZ5c
この1枚が撮影されるまでの経緯について、セルタンの採用担当で、ツイッターも担当している八木健太郎さんに話を聞きました。
――ツイートに登場しているソファについて教えてください
「和楽の葵PREMIO」のM、L、XLサイズで、価格はそれぞれ送料無料で税別1万4800円、1万9800円、2万4800円です。
日本製でカバーは洗濯可能、ビーズも詰め替え可能です。表面にはとろけるような肌触りの「ミサーク生地」を使用していて、鳥デザイナーの梅川千尋氏監修の「とりみカフェコラボモデル」となっています。
――本当にカメラマンからこの写真が届いたのでしょうか
はい。撮影終了後、フォルダに保存されているデータを確認している際に発見しました。見た瞬間は「なぜこのような画像を撮影したのだろうか」と不思議に思いましたが、すぐに理由が分かり、見事な出来だと感心しました。
――ソファはすでに販売されていて、この写真が商品紹介画像に採用されているのでしょうか
10月22日12時から販売受け付け開始で、実際の販売ページには別の画像を用意しています。しかし、あまりに反響が大きかったので、販売ページ内にツイートを差し込むことを検討しています。
――ツイートで紹介しようと思ったきっかけは
弊社のツイッターアカウント「セルタン採用チーム」は、学生さんに会社の姿勢をリアルタイムで見てもらうためにスタートしたアカウントになります。
販売のために運営しているわけではないので、機械的に商品を紹介する必要はありませんし、広報として会社の姿を綺麗に見せる必要もありません。お客様にエンターテイメントを提供する楽しい企業としての姿勢を表現した結果、このようなツイートになりました。
――話題になったことについては
販売のために投稿した内容ではなかったのですが、多くの方に商品詳細についてお問い合わせいただき、正直驚いています。内容が内容なだけに、購買まで結びつくはずがないと思いましたが、「使用イメージはわかなくても人間性が伝わってきて可愛い」「家にあったらほっこりする」「ひとり暮らしでも、このソファが迎えてくれたら幸せ」などと、家族のような不思議な目線で受け入れていただいている声が多いので、今後の動向に注目しています。
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