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「悪い子にして」迫る女子高生 おじさんの対応が最高にクールだった
「あたしを悪い子にしてよ」。なまめかしい表情で、ひげ面の男性に迫る女子高生。そのてんまつを描いた漫画が、ツイッター上で広く読まれています。人気の理由は、読者の予想を覆す、「おじさん」のクールすぎる対応です。「何という紳士」「尊みが深すぎる」。絶賛を集めたストーリーは、なぜ生まれたのか?作者に聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
『おじさんが女子●生に悪いことを教える漫画』というタイトルの作品は、8月31日、ツイッター上に投稿されました。
最初のコマには、セーラー服を着た少女の姿が。「あたしに悪いコト教えて」。そう言いながらスカーフを緩め、「おじさん」と呼ばれる中年男性の肩に、手をかけるシーンが描かれます。
「こういうの待ってた」「私もこんな大人に理解されたい」。年の離れた2人が起こす「化学反応」に、心をつかまれる人が相次ぎました。これまでに「いいね」は13万を超え、5万件近くリツイートされています。
作者は漫画家の久川はるさん(@hisakawa_haru)です。ツイッター上で、人気映画のパロディーなどを公開しています。女性同士の恋愛「百合」を扱う作品も手がけ、今月18日には、女性カップルが結婚するエピソードを集めた『ゆりこん』(一迅社)が発売されます。
おじさんが女子●生に悪いことを教える漫画です。#創作 pic.twitter.com/aXltcVL1zu
— 久川 はる🍗9/18コミックス発売 (@hisakawa_haru) 2018年8月31日
漫画に高校生を登場させることが多い久川さん。大人のキャラクターも活躍させたいと思ったことが、新作誕生のきっかけになりました。構想段階では、他の人があまり手をつけていない題材を探したといいます。
「おじさんが主人公の漫画って、そこまで多くないなと。女子高生と絡むとなれば、なおさら意外性があります。筋書きも、良い意味で読者を裏切るものにしよう、と意識しました」
「悪いこと」を話の軸に据えたのにも、理由があります。詳しく明かされませんが、少女は学校生活で困難を抱えています。そのストレスと向き合うことも、重要な裏テーマになっているのです。
深刻にならないようにしつつ、心の負担をどう軽くするか。久川さんは「学生がやりたくてもやれないこと」を表現すれば良いと考え、今回の形にしました。
男性が少女を手助けする展開には、「ちゃんと導いてくれる大人はいる」という思いを込めているそうです。
ツイッターで評判になったことを受け、9月5日と13日には続編も公開されました。前者は「いいね」を8万近く獲得し、後者にも「このおじさんとなら付き合いたい」といった声が寄せられています。
ところで、気になるのは2人のつながりです。これまでのところ、名前や年齢を含め、何も説明がありません。久川さんは多くを語らないものの、物語の今後について、こう話しています。
「年の差がある男女の結びつきを描いた漫画は、悲しい結末を迎えがちだと思っています。私の作品では、あの2人だから築ける、幸せな関係性を見せたい。頑張って続けるので、次の話を楽しみに待っていてほしいですね」
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