話題
なぜキングジムが防災用品? A4サイズ、棚に収まりサッと持ち出し可
キングジムのツイッターアカウントが、自社製品の防災グッズを紹介して話題になっています。
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キングジムのツイッターアカウントが、自社製品の防災グッズを紹介して話題になっています。
「テプラ」「キングファイル」などのオフィス用品で知られるキングジム。そんな会社のツイッターアカウントが、自社製品の防災グッズを紹介して話題になっています。なぜ文房具メーカーが防災用品を手がけたのか? その特徴とは? 「中の人」に話を聞きました。
今月25日、キングジムのツイッターアカウントがこんな文言を投稿しました。
「意外と思われがちですが、キングジムでは防災用品『災害帰宅セット』『災害備蓄セット』『着る布団&エアーマット』を取り扱っています。すべてA4サイズで本棚にファイルと並べて収納できます」
添付されている画像には、A4ファイルのようなパッケージで書棚に収まった『災害備蓄セット』が写っており、その中に入っている水、ごはん、クッキー、タオルなども紹介されています。
この投稿に対して、「画期的!」「ファイルと同じ大きさとは」「常に目に入る所に置いておけるってすごい」といったコメントが寄せられ、リツイート・いいねともに1万を超えています。
意外と思われがちですが、キングジムでは防災用品「災害帰宅セット」「災害備蓄セット」「着る布団&エアーマット」を取り扱っています。すべてA4サイズで本棚にファイルと並べて収納できます。https://t.co/cXzvLkgYkL pic.twitter.com/KNViPuJ0ta
— キングジム (@kingjim) 2018年6月25日
キングジムによると、災害発生時に自宅までの帰宅を支援する『災害帰宅セット』は税抜き4800円。マスクやアルミポンチョ、軍手や水などが入っています。
避難先での滞在を支援する『災害備蓄セット』も同じく税抜き4800円。こちらは水やごはん、非常用簡易トイレなどが入っています。災害帰宅セット・災害備蓄セットともに品質保持期限は4年です。
人型の簡易寝袋『着る布団&エアーマット』は税抜き4500円。余震の際などに着たまますぐに歩けるのが特徴です。
これら3商品に共通するのは、A4ファイルサイズのパッケージに入っている点です。ファイル同様に書棚に置いておくことができ、いざという時にサッと持ち出せます。
いったいなぜ、文房具メーカーが防災用品を手がけることになったのか? ツイッターの「中の人」に話を聞きました。
――今回ツイートしようと思ったきっかけは
大阪北部や千葉をはじめ、各地で地震があった時期に「防災グッズを買いたい」「防災用品の点検をしよう」などのツイートをよく目にしました。防災意識が高まっているこのタイミングで発信することで、少しでも何かのお役に立てればと思い、ツイートしました。
――文房具メーカーが防災用品を手がけた理由は
東京都の帰宅困難者対策条例は、災害時には交通の混乱を避けるために施設の安全を確認したうえで、従業員を事務所内に留まらせることを各企業への努力義務としています。この条例施行を受けて開発しました。
もともと当社はオフィス向け文具の開発を行っていたため、オフィスでの活用を狙った防災用品を手がけることに。「着る布団&エアーマット」の着想は、開発者の親族の家が東日本大震災で被災したことがきっかけになっています。
――キングジムならでは、という点があれば
各製品ともA4サイズのパッケージにすべての防災用品が収まり、書棚や机の引き出しなどに効率的に収納できるところです。
最初に発売した「着る布団&エアーマット」のサイズと形状が好評で、「災害帰宅セット」「災害備蓄セット」も書棚や机の引き出しなどに一緒に保管ができるように、A4サイズに大きさを統一しました。
当社は長い時間をかけて、日本のオフィスにファイリングという習慣や文化を育ててきましたので、そこから得た着想と言っても過言ではありません。
――売れ行きは
発売以来、好調です。問い合わせは企業だけでなく、個人からも多くいただいています。ツイート後、「法人ではなく個人でも購入できるのか」という質問がありましたが、どなたでもおひとつから店頭や通販、ネットなどで購入いただけます。
――キングジム社内でも常備しているんですか
当社でも導入していて、背見出しに部署名と氏名が印刷された「テプラ」のラベルを貼って、ファイルと一緒に書棚に並べています。家庭ではナップサックなどでの保管が一般的ですが、オフィスは元々ある什器に収納できるため、見た目もスッキリとします。
――話題になったことについては
驚いています。これをきっかけにキングジム製品に限らず、各々の環境にあった防災用品の導入につながっていけば、この上ないです。
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