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熊本地震経験者「余震に備えて」 SNSで広まった「呼びかけの輪」
18日朝、大阪府北部で最大震度6弱の地震を観測しました。熊本地震では、前震の約28時間後に本震が発生。建物倒壊や断水などの被害が広がりました。今回の地震を受け、SNSでは熊本地震を経験した人たちが「余震に備えて」という投稿をしています。専門家も「本震と同程度の余震の可能性もある」と注意を呼びかけています。
— ウオズミアミ (@amiuozumi) 2018年6月18日
熊本在住の漫画家ウオズミアミさん(@amiuozumi)は18日朝、ツイッターにこれまで投稿していた余震への備えを、改めて投稿しました。ウオズミさんは熊本地震の経験者です。被災当時の食事にまつわるエピソードを軸にエッセー漫画も出版しています。
今回投稿した思いを聞くと、次のように話してくれました。
「 自分の経験とそこで得た知恵が、今、怖くてつらい思いをしている誰かの役に立てばと思いました。 私も熊本地震当時、東北で被災された方のツイートや情報を見て、精神的にも随分助けられた部分がありました 」
【余震備え】おはようございます。明るくなると少し安心できますね。水道が使えれば、浴槽に水を溜めることをお勧めします。熊本地震、我々の地域でまずとても困ったのは、トイレの水が流せないことでした。画像を参考してください。 pic.twitter.com/cEIUL23EEU
— ウオズミアミ (@amiuozumi) 2018年4月8日
【余震備え】参考までに。 pic.twitter.com/pcyheg7wvF
— ウオズミアミ (@amiuozumi) 2018年4月8日
熊本地震は、2016年4月に発生。熊本県益城町を前震と本震、2度の震度7が襲い、多くの人が亡くなりました。4月14日夜の前震では熊本県内での被害が主だったのに対し、16日未明の本震では大分や福岡、佐賀県でも建物倒壊や土砂崩れなど被害が広がりました。
大阪での地震後、ツイッターでは、水や食べ物の確保を呼びかける投稿のほか、熊本地震の教訓を生かそうと「本震がまだ来ていないかもしれません」「2~3日は家の中で寝るのは危険ですよ」と注意を促す投稿がありました。
そのほか、「大事なのはパニックにならないこと」「不正確なSNSの情報を鵜呑みにしない」という呼びかけも。
熊本地震では、「動物園からライオン放たれた」といったデマが流れました。今回の地震後も、ツイッター上では「シマウマ脱走」「大阪の京セラドームに亀裂」など事実とは異なる「デマ」が飛び交いました。
災害情報学が専門の東北大学・佐藤翔輔准教授は、「支援情報が多くなると、正確な情報の妨げになる可能性もあります。府や市など自治体の情報を参考にして」と話します。
インスタにもあげたけど、こちらにも。機内モードにするのは電気が止まって充電切れ防止のときにね!
— Ayano.M (@ayanon_nontan) 2018年6月18日
レジャーシートは公園泊のときに。
バスタブの水溜めは水道止まったときのトイレ用水などに。#地震 #震災 #熊本 #熊本から pic.twitter.com/FRjrNxWm9y
熊本地震を経験した人の投稿は、フェイスブックでも見られました。「大切なのは家族と生き残ること」「この後もっと大きな地震(本震)が来るかも知れないと想定する」「家族との連絡手段を確認する」「倒れてくるモノの下で寝ない」「寝る部屋の足元に運動靴を常備」などとまとめています。
今回SNSでの呼びかけが広まった背景には、自分たちの体験を関西の人たちに生かしてほしいという思いがあったようです。
インスタグラムとツイッターで「熊本地震で役立ったこと」を投稿したAyano.M(@ayanon_nontan)さんは、次のように話します。
「私自身、震災を経験してはじめて、本当に必要なことを知りました。役に立てたらうれしいですし、それが経験した人間の役割みたいなものではないかと思っています」
内陸の活断層の地震は、一般的に余震が多いと言われています。東京大学地震研究所の古村孝志教授は、「規模は小さくても震度でみると本震と同程度の余震もあり、注意しなければいけません。熊本地震のように、まれに別の大きな地震を誘発する可能性もあります」。
被害に見舞われたところでは、耐震性の低い建物やブロック塀に近づかないことも大切です。今後の備えとして、「水や食料の備えも大切ですが、家の下敷きになって人が亡くならないように対応していくべきです」と指摘しています。
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