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あの「瞬足」に上履き誕生 廊下は走っちゃダメでは…アキレスに聞く
もうすぐ新学期。上履きは買いましたか? 「運動会で速く走れる靴」というイメージが強い『瞬足』から上履きが発売され、注目を集めています。
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もうすぐ新学期。上履きは買いましたか? 「運動会で速く走れる靴」というイメージが強い『瞬足』から上履きが発売され、注目を集めています。
もうすぐ新学期。上履きは買いましたか? 運動会で速く走れる靴というイメージが強い『瞬足』から上履きが発売され、注目を集めています。「学校の廊下は走っちゃダメ」と教わったのに、なぜ瞬足ブランドの上履きを出したのか、アキレスの担当者に話を聞きました。
3月上旬にアキレスが発売した「瞬足@SCHOOL(アットスクール)」。
ワンストラップタイプ(税抜き2300円)とスリッポンタイプ(2500円)の2種類があり、色は白のみ。サイズはハーフサイズありの14.0cm~26.0cmです。
通常の上履きと見た目が大きく異なるのはソール部分。スニーカーのような形状で、衝撃吸収材を搭載し、足の動きに合わせて屈曲するように設計されています。
ツイッター上では3月中旬に投稿された「瞬足うわばき」の画像が拡散していますが、こちらは昨年試験販売されたもので、ソールの形状などが異なります。
「瞬足」が誕生したのは2003年。左右の靴底の形を変えて運動場のコーナーを走りやすいようにしたもので、当時は「コーナーで差をつけろ」「ナンバー1を君に」などをうたい文句に、小学生を中心に支持を集めました。
2013年には、それまで培ってきた靴作りの技術を生かして「足を育む」ことを掲げ、順天堂大スポーツ健康科学部と共同開発した「瞬足 足育シリーズ」も展開。
速く走るだけでなく、通学靴としての機能も充実させながらラインナップを増やし、現在は年間600万足を販売する看板商品にまで成長しました。
圧倒的な知名度がある瞬足の「ブランド力」を生かした事業も展開。伊藤忠商事と組んだライセンス事業では、帽子やなわとび、ランドセルといった商品も販売しています。
「運動会で速く走れる靴」というイメージが強い瞬足ですが、学校では「廊下は走っちゃダメ」と教わります。
ブランドイメージと矛盾するような気もしますが、なぜ瞬足の上履きを発売することになったのか?
アキレスのシューズ事業部で「瞬足の生みの親」と呼ばれている津端裕さんは、その理由をこう説明します。
「子どもたちが1日のなかで一番長く履いているのが上履きです。だからこそアキレスは、しっかりしたものを履いてもらいたいとの思いで商品展開をしてきましたが、『いつもの安いやつでいいんじゃない』という声も多く、なかなか浸透しませんでした。そこで、瞬足ブランドでの本格展開を決めたんです」
学校で6~8時間を過ごす子どもたちにとって、1日のなかで一番長く履いている靴が上履きです。
「上履きでも、履き心地が良く、ずっと履いていたくなるような『スニーカーのようなかっこよさ』をコンセプトに、デザインや機能をグレードアップさせました」と津端さん。
小学生は年間約10mmほど足長が伸びるとされており、足の骨格の基本である縦と横方向のアーチ構造が完成する大切な時期でもあります。
親指から小指の付け根部分の周囲「足囲」のサイズは、通常(2E~3E)よりも小さい「1.5E」に設定。2013年から約7千人の小学生の足を調べた結果、現代の子どもの足に合わせて決めたそうです。
実は、瞬足のブランド名を冠した上履きは過去にも販売されています。
2013年には、内履き・外履き兼用シューズ「瞬足そくいく SKI0010」を発売。東日本大震災時に「上履きのまま高いところへ走って逃げたら助かった」という子どもたちの声を背景に商品化したものです。
瞬足ブランド以外でも、安定した歩行をサポートしたり、長時間履いても疲れにくかったり、といった機能性の高い上履きも展開してきましたが、思うように販売は伸びませんでした。
今回の新商品について、津端さんはこう話します
「スタイリッシュで高機能であれば、2300円~2500円でも決して高くないはずです。靴選びの大切さが子どもの足の健康につながることを、もっと多くの親御さんに知ってもらいたいですし、今後も足型測定会などを通じて反応や意見を採り入れて、ラインナップを拡充していきたいです」
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