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「11月11日」がつらすぎる…ポッキーじゃない方の担当者の胸の内
あれから1年。再び11月11日がやってきます。日本記念日協会が認定した「ポッキー&プリッツの日」。この日を誰よりも「つらい」と感じている人がいます。江崎グリコで「ポッキー」じゃない方の「プリッツ」の担当者。昨年は「プリッツの日」の知名度のなさを自虐的なつぶやきにした内容がSNSで拡散しました。
11月11日は日本記念日協会が「ポッキー&プリッツの日」に認定しています。
1年前の2016年11月11日、「プリッツの日」の知名度のなさを自虐的なつぶやきにした内容がSNSで拡散。プリッツの思いだけでなく、ポッキーとの関係性や歴史まで分かってしまい、目にした時から気になっていました。
仕掛け人は、江崎グリコの三浦啓吾さん。今も、プリッツのマーケティング担当をしています。なぜ、あんな企画をしたのか。今も自虐は解消されていないのか。詳しく聞きました。
――早速ですが、「ポッキー&プリッツの日」はどうしてあんなに、ポッキー寄りになっているんですか?
「もともとはスティック状の形が「1」に見えるので、それが並んだ11月11日はポッキー&プリッツの日としてぴったりというところから始まりました。しかしながら、世の中の知名度は『ポッキー』の方が高いので、いつの間にかポッキー寄りになり、プリッツは脇役という位置づけになりました」
――ある意味、作戦だったわけですね。
「でも、年が経つに連れてプリッツの存在がどんどん忘れ去られていき、2015年に実施した調査では、86%の人が『ポッキーの日』と回答しました。もちろん、プリッツを愛してくれる人はたくさんいますが、その日をポッキーと同じようにお祭りごととして捉えてくれる人はあまりいません」
――担当者としてはつらいですね。
「プリッツの方が3年早く生まれ、それなりの規模はありますが、ポッキーは会社を背負って立つブランド。宣伝にかけられる予算も差があります。担当して8年になっていましたが、11月11日は毎年つらい日でした」
――三浦さんの心の叫びが、あのコンテンツを作ったのですね。
「プリッツの売り出し方を考えれば、他の選択肢もあったと思いますが、検討すればするほど、つらかった経験が先に出てしまうんです。あのプリッツのつぶやきには、担当して8年間の様々な想いが凝縮されています」
――社内ではすぐに受け入れられたのですか。
「ポッキーと対比してプリッツを語ることがこれまでなかったので、反発もありました。『プリッツの方が先輩なのに、ポッキーを敬っていいのか』といった議論も。歴史的な経緯もあり、社内ではやはりプリッツの方が先輩という位置付けなんです」
――つぶやきでは「いっそのこと、『11月11日はポッキーの日』にしてしまっては」と大胆発言もしています。三浦さんの案ですか?
「さっきの調査のように、9割の人が『プリッツの日』と認識していないのに、プリッツも店に一緒に並べてもらっている状況に感謝しつつ、その反面ではどきどきしていました。社内で「ポッキーの日にする」と言ってしまえば、そうなりかねない現実なので、これも心の声が出てしまったような感じですね」
――しかし、その自虐的だけどプリッツを愛する思いが多くの人に伝わりました。反響はどうでしたか。
「これまでは、『11日はポッキーがからっぽになり、仕方なくプリッツ』という声も多かったですが、『プリッツの方が好き』『プリッツ嫌いじゃない』といった声が自発的に出ました。ネガティブな反応もなく、一番うれしかったのは、『私プリッツ派だよ』と発信してくれた人たちが意外と多かったこと」
「ポッキーはキラキラしているので、そういった声が多いのですが、プリッツはこれまであまりありませんでした。8年目にして初めて、ポッキーに肩を並べ、『ポッキー&プリッツの日』を実感できました」
――今年も11月11日がやってきます。
「昨年は反響をもらいましたが、冷静に見ればまだまだつらい日なのは変わりません」
――どこまでも自虐的ですね……。今年も何か考えているのですか?
「考えていますが、今は言えません。11月11日をお楽しみに!」
――プリッツの今後の目標があれば教えてください!
「プリッツとしては、やっぱりポッキーを越えたい!『ポッキー&プリッツの日』が『プリッツ&ポッキーの日』になるその日まで、頑張っていきたいです」
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