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くまモン公式「くまカフェ」あえて熊本を避けた理由、待望の日本進出
海外でも抜群の知名度を誇るくまモン。実は、くまモンをテーマにした「くまカフェ」は、日本より先に上海、台湾、南京でオープンし人気になっています。そして11月には、待望の「逆輸入」された初の日本店が上陸。といっても場所は熊本ではありません……。なぜ熊本ではないのか?日本初の場所に選ばれたスポットとは?
気になる「くまカフェ」の場所は福岡市の「くまカフェ KISS福岡店」です。KISSはもともと「九州国際観光広場」の略称で、訪日外国人向けの商業施設として2016年7月に福岡市博多区にオープンしました。総面積は約7千平方メートルあります。
「KISS福岡 九州和食広場」にリニューアルしたことをきっかけに、日本初のくまカフェをオープンすることになりました。
くまカフェは上海に3店舗、台北に1店、南京に1店舗が展開されており、地元では大人気です。今後は、香港、北京、深セン、大連にも展開する予定です。海外での反響の大きさを受けての「逆輸入」することになりました。
初の日本店なら熊本だと思いがちですが、そもそも、くまモンは熊本県をPRする県のマスコットキャラクター。県内でアピールするのではなく、県外での出店になりました。
そして、熊本県にはすでに、くまモンが登場する「くまモンスクエア」があります。そこに「くまカフェ」まで現れると……。ファンの夢を大事にする配慮もあったようです。
熊本県にとって、大事な存在のくまモン。県外活動は様々な条件の上で成り立っていますが「KISS福岡」は、かなりの集客が見込めることから実現に至りました。
集客力を期待された福岡ですが、実際、多くの外国人観光客が訪れています。博多港の情報によると、2016年にクルーズ船の博多港への寄港は日本一です。2017年は、中国クルーズ船の寄港が329回を数え、中国人利用客は109万人を超える見込みです。
「KISS福岡」に訪れる訪日外国人は1ヶ月平均、約2万5000人に達しています。外国人に人気のある福岡だからこそ、中国で高い人気を誇っているくまモンの「くまカフェ」初の日本進出が福岡になったのです。
くまカフェKISS福岡店の開店に伴い、熊本県もPRに力を入れています。
熊本の食材を使用したカフェメニューや、熊本の資材による店舗設計など、様々な形で熊本を体験できるセクションが用意されています。
目玉施設の一つは、KISS特別仕様の和室です。熊本県および熊本県内の業者9社の協力で、カフェ内の「くまモン」茶室と庭が、400万円以上をかけて整えられました。
「部長」という名で親しまれているくまモン本人も登場。くまカフェのグランドオープンに合わせて、KISS福岡の代表取締役、熊本県副知事、中国在福岡総領事館の領事などともに、オープンニングセレモニーのイベントに出席しました。
くまカフェKISS福岡店では、くまモンのスイーツ、くまモンの関連グッズが販売されているほか、福岡店限定のくまカフェメニューも提供され、日本初のくまカフェの名にふさわしい内容になっているようです。
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