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発想の勝利!「巻きうどん」 切りたて新鮮、サイズ自由、保存1カ月
ツイッター上で注目を集めている「巻きうどん」をご存じですか?
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ツイッター上で注目を集めている「巻きうどん」をご存じですか?
【ネットの話題、ファクトチェック】
ツイッター上で注目を集めている「巻きうどん」をご存じですか? 生地をこねて伸ばした後、切りそろえる前の状態で販売している商品です。自分の好みの太さに切れて、さらに常温で1カ月保存がきくといったメリットがあります。元々は運送会社だったという製造元の代表に話を聞きました。
先月24日、「この前 食べた『巻きうどん』最高でした」という文言とともにツイッター投稿された画像。
そこには「巻きうどん」と書かれたパッケージと、袋から開けた状態のものが写っています。伸ばしたうどん生地を、まるでロールケーキのように丸めてあります。
どうやら、自分の好みの大きさに切って食べられる商品のようで、パッケージには「切りたてだからコシが違う!」「常温1カ月保存可能」と書かれています。
この投稿に対して「見たことないタイプのうどんだ」「きしめんにして食べたい」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万7千、いいねは5万9千を超えています。
この商品を製造しているのは、埼玉県草加市にある有限会社ジーアイエスです。
今回話題になった商品は、ジーアイエスが製造したものを別の会社が販売しているもので、自社では「大江戸 板巻うどん」として同じものを販売しています。
「今から11年前に『大江戸 板巻うどん』で商標登録して、その2年後に販売を開始しました」と話すのは、ジーアイエス代表の田浦明さん(64)です。
元々、運送会社として1987年にジーアイエスを立ち上げた田浦さん。製麺事業を始めたのは、今から20年ほど前のことです。
「最初は車のディーラー向けにラーメンを作ったのが始まりでした。来場したお客さん向けにプレゼントするための商品ですね。普通にスーパー向けなどで勝負しても勝てないと思ったんです」
うどんにチャレンジするにあたり、製粉会社で講習を受ける中で「ひと手間かけることでおいしくできないか」「自分で作る楽しさをプラスしたい」と考え、あえて切らずに商品化することを思いつきました。
商品化されたうどんのサイズは、幅22cm×長さ37cm。2人前で250g入りです。
実際に作ってみると、自分で切る楽しさ以外にもメリットがありました。一つは鮮度。ホームページでは以下のように説明しています。
「生麺は、切ってしまうと時間が経つにつれ、残念なことにうまみが逃げてしまい、保水も少なくなるため、食べたときのモチモチ感が失われてしまいます。切ったばかりのおいしさと抜群のコシのよさをいつでも楽しむことができます」
もう一つは、自分の好みで切ることで、いろんな料理に活用できる点です。
ジーアイエスでは、細切りは「ざるうどん」、中細切りは「サラダうどん」、通常切りは「天ぷらうどん」、太めの荒切りは「煮込みうどん」とオススメしていますが、実際に購入したお客さんから「ラザニアに使ったらおいしかった」「きしめんとして食べた」といった声が寄せられているそうです。
「私たちが思いもよらなかった食べ方を、逆にお客さんから教えてもらっています」と田浦さん。
また、酒精を添加したことや、空気に触れる面積が少なくなったことで、生麺にもかかわらず常温で1カ月保存できるそうです。
ツイッターで話題になったことで、商社からの引き合いや、「ラーメンやソバも販売して」といった声も寄せられているそうです。
「来年にはカットしていない『生パスタ』を発売する予定です。ラーメンの麺は熟成しない点が、ソバは食感がうまく出ない点がネックなので難しいんです」と田浦さん。
発売からだいぶ経ってから話題になったことについては「お客さんの反応からも、きっと売れるという思いはありました。発売当時に考えた『うどん御殿を作る』という夢に、一歩近づきました」
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埼玉県の会社なのに、なぜ「大江戸 板巻うどん」なのか? この点については「開発した当時は、会社が東京都足立区にあったからなんですよ」とのことでした。
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