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127年前、初の衆院選は「異常な」投票率だった…驚きの選挙の歴史
10月22日に投開票を迎える衆院選。さかのぼること127年前、日本で初めての衆院選が行われ、今回は48回目です。投票率が9割だった時代、投票率100%の漁村が記事になった時代、開票日翌日でも1面に広告しかなかった時代……。投票日翌日の紙面を中心に、新聞で衆院選を振り返ってみました。
初めての衆院選。「投票者予測」「各区投票の午後の景況」などの見出しが、原稿と同じ文字の大きさで並んでいます。投票率は93.91%でした。
日露戦争下の投開票。紙面の上の部分で戦況などが伝えられ、選挙関連の記事は下に。また、「衆議院議員一覧」というかたちで投票結果が掲載されたのは投票の4日後の2面でした。
第10回から第20回までは、1面が広告の時代でした。選挙関連記事は2面以降に掲載されています。
第二次世界大戦中に行われた唯一の国政選挙。
北海道で投票率100%の集落があったことを伝える記事には「目下いかとほつけの漁期ながら」というくだりもあります。
戦後初の衆院選で、女性参政権が行使された初めての選挙でした。
そのためか「各地、婦人の出足は良好」という見出しも大きくつけられ、写真も女性が多く写ったものが使われています。紙面に掲載された写真には「託児所」と思われる文字も。
投票日の5日前に長野・飯田で発生した飯田大火の被災地写真が目を引きます。
現地ルポの書き出しは「火のうずまきに魂を失つた人々が果たしてどれだけ政治への関心を見せるか」とされています。
党派別当選者の表には「婦人3名」と特記されています。女性当選者数だけを抜き出した表は、2003年の第43回まで、ほぼ毎回1面に掲載されています。
また、現代の新聞は改行後に一字下げる原則がありますが、この頃の新聞にはそれがありません。
「ロッキード選挙」と呼ばれ、唯一の任期満了での総選挙。ロッキード事件の発覚で、国会審議が混乱した中で行われました。1面の見出しだけでも「ロ事件」「ロッキード」「ロッキード選挙区」と、関連の言葉が使われています。
「逮捕もまるでカスリ傷程度 ロッキード」は、首相退任後に逮捕された田中角栄氏が新潟3区で当選・大量得票していることについて、他陣営が「追及を避けた」ことも要因と分析する記事です。
初の衆参同日選でした。
この選挙では、これまで即日開票されていた選挙区を含め、全選挙区で翌日開票されました。開票前の票が入った投票箱が、選管や警察官に見守られながら一夜を明かしたという記事が掲載されています。
1980年以来の衆参同日選で、1980年と同様に、翌日開票。「時間別当選数の推移」という、近年みないグラフが掲載されています。
解散時は「死んだふり解散」と呼ばれました。
平成になって初めての総選挙。
東京、神奈川、埼玉の3都県を除く選挙区で即日開票されていました。
消費税が導入された翌年の選挙で、その存廃が最大の争点になりました。
新党ブーム到来。自民党と社会党の二大政党を中心とした「55年体制」が崩壊しました。
ちなみに、選挙関連の記事で1面が埋め尽くされる中、「曙、巴戦で横綱初V」という見出しが隅に置かれています。記事は別の面に掲載されています。
朝日新聞の公式インスタグラムでは過去の選挙紙面を紹介しています。ハッシュタグ(#新聞で振り返る衆院選)でこれまでの投稿を見ることができます。
【#新聞で振り返る衆院選】
— 朝日新聞公式インスタグラム (@asahi_insta) 2017年10月17日
1986年第38回
1980年以来の衆参同日選。「時間別当選数の推移」が掲載されています。#新聞で振り返る #投票日翌日一面 #朝日新聞 #衆院選 #解散総選挙 #選挙に行こう #投票に行こうhttps://t.co/t77pTcENlU pic.twitter.com/1Pw1VNfyvA
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