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納豆「1万回」混ぜたら予想外の結果に…記念日が関西発祥だった理由
7月10日は「納豆の日」です。上戸彩さん、真鍋かをりさん、吉田羊さん…毎年、選ばれる「納豆クイーン」には豪華なタレントが並びます。今年は岡田結実さんが選ばれました。実はこの「納豆の日」、納豆嫌いで知られる関西が発祥でした。「1万回」かき混ぜる驚きの実験結果など、納豆にまつわる「謎」をたどってみました。
納豆クイーンは2002年に始まりました。「納豆好きを公言し、心身共に健康的で美を体現している人を選んでいます」と、主催する全国納豆協同組合連合会。今年は、岡田結実さんが受賞しました。
一方、語呂に合わせて「納豆の日」が命名されたのは、意外にも関西からでした。
関東ほど納豆が身近でない関西。昭和50年代に、地域の業界が、消費が特に落ちる夏場にもりたてようと特売イベントや地域への無料配布を通じてPRしたのが、始まりでした。
関西が発祥だった「納豆の日」は、その後、全国に広がっていきました。
納豆といえば、茨城・水戸を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、ここ最近「納豆王国」では危機感が漂っています。1世帯あたりの納豆購入額で、水戸市は2015年に全国5位(52都市調査:総務省)でした。
この結果にショックを受けた地元の業界や行政は、日本一奪還へPRイベントなどを積極的に展開しました。
努力のかいあって2016年、水戸市は見事1位に返り咲きました。3年ぶりの快挙に、大喜びした市は号外まで出したそうです。
ただ、安心はできません。2位の盛岡市との差はわずかです。
■2016年の1世帯あたりの納豆購入額(総務省調査をもとに、水戸市発表)
(1位)水戸市 5565円
(2位)盛岡市 5560円
(3位)福島市 5389円
(4位)前橋市 5382円
(5位)青森市 5294円
秋田県横手市のホームページには、おすすめの観光めぐりとして、「納豆伝説コース」が紹介されています。なんでも、この地が戦場となった平安後期の後三年合戦と関係があると言います。
合戦の際、源義家が農民に煮大豆を差し出させたところ、急ぎのために入れ物が間に合わず、俵に詰めて差し出した。これが数日たつと納豆ができて、意外とおいしかったというのです。市内には、地元の納豆メーカーが寄贈した「納豆発祥の碑」まであります。
ただ、中国や東南アジアが起源だとする説もあり、真相は、はっきりとわかっていません。
納豆は、混ぜれば混ぜるほどおいしくなるのでしょうか。
そんな消費者の疑問に応えようと、食品メーカーの「ミツカン」が、かつて驚きの実験をしたことがあります。
混ぜて混ぜて混ぜて…その数なんと1万回。
最初は、社員2、3人が交代でかき混ぜていましたが、想像以上に腕が疲れてきて大ピンチ。急きょ、他部署の社員にも協力を頼みました。結局、数十人の手をかけて、半日がかりの大仕事になりました。うまみ成分であるアミノ酸の量にはほとんど変化はなかったといいます。
実験を担当した猪飼千雅さんは、「かき混ぜすぎるとペースト状になって、見た目はもはや納豆でなくオススメできません。回数はお好みで」。粘りすぎてもダメなようです。
健康に良いとされる納豆ですが、最近の調査では脳卒中のリスク軽減効果もあることが分かってきました。
ふだん納豆をよく食べる人とそうでない人を比べると、食べる人は脳卒中で亡くなるリスクが約3割低くなることを、岐阜大の調査チームがつきとめました。
どうやら、納豆に含まれる、血管が詰まるのを防ぐ作用がある酵素などが関係している可能性があるようです。
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