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小難しい政治の話、就活恋バナに例えたら…「組織を知る、それ大事」

白いワイシャツがまぶしかった彼…聞けなかった連絡先
白いワイシャツがまぶしかった彼…聞けなかった連絡先

目次

 就活イベントで隣に座った講師役の彼。

 「今年は、桜が散ったのも気付かないくらい仕事が立て込んでね…」

 充実感にあふれた忙しい日々がうらやましい。

 大学に行くようなジーパン、Tシャツで着てしまったことを激しく後悔する。

 「あの、もっとお話聞きたいので、連絡先を…」

 言えない。でも、聞きたい。

 恋も選挙も情報戦。彼との出会いから学ぶ、候補者選びのイロハとは?


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序章「この男、信用できるのか?」恋も選挙も情報戦 そんな時のSVR理論
※続編も順次公開していきます

恋も選挙も情報戦〜エピソード1〜 彼との出会い

※このコンテンツはエンターテイメントです。なかなかとっつきにくい選挙が恋愛を通して描くことで理解が深まるのかを調査しています。

 菅田 絵梨香と彼を繋ぐのは、絵梨香と同じ研究室の本岡麻美子だ。麻美子は首都圏の大学生が集まるテニスのインカレサークルに入っている。美人なのに、気取るところもなく、誰とでもすぐに仲良くなれる気さくな性格で、男女問わず友達が多い。

 彼からの告白を相談できるのは、麻美子しかいないと思った。
 
「ねぇ、麻美子!」

 絵梨香は息を切らしながら思いっきり研究室のドアを開けた。

 「あれ?」

 今日、麻美子って大学に来る日じゃなかったっけ…

 部屋は静まり返っていた。

出典:https://pixta.jp/

「広告業界とかで働けるとか、夢のまた夢だよなー」

 絵梨香が彼に出会ったのは、大学に入って3回目の春だった。渋谷駅から5分ほど歩いた坂の途中にある雑居ビルで開かれたイベントで、就職で広告業界を目指す人たちに向けたワークショップだった。

 将来は、専攻しているデザインの技術を生かせる仕事に就きたいと思っている。未熟な私のデザインでも、社会に影響を与えられたらなと思って、広告業界に興味を持った。しかし、狭き門。

 「広告業界とかで働けるとか、夢のまた夢だよなー」。

 私が研究室であーでもない、こうでもない、うだうだいって言っていたら、

 「早いうちから活動をして、情報集めるのは先決だよ」と麻美子に言われ、イベントまで紹介してくれた。

憧れの広告業界、それが出会いのきっかけに…
憧れの広告業界、それが出会いのきっかけに… 出典:https://pixta.jp/

キラキラしてる。「かっこいい!」

 渋谷の会場に来た私は、今日は勝負だ、と思って最前列に陣取った。授業でも、一番前なんて座ったことはない。そわそわする。

 開始まであと5分。私の前に、広告業界で働く若手が6人、正面を向いて座った。男性5人、女性1人。背筋は伸びていて、顔には自信が溢れている。そして、みんなおしゃれだ。私と言えば、2年前に買ったTシャツとジーパン。場違いか。
 
 イベントが始まった。

 インターンシップをどう過ごしたか。司会から話が飛ぶ。

 「インターンシップって必ずやらないといけないんですか? 僕、入社試験受ける時まで、今、働いている会社の人に会ったことなかったですよ」

 本音もズバズバ飛び交う。

 キラキラしてる。「かっこいい!」。胸が高鳴り始める。

キラキラして見えた就活イベント、胸が高鳴り始める。「かっこいい!」
キラキラして見えた就活イベント、胸が高鳴り始める。「かっこいい!」 出典:https://pixta.jp/

「今、何年生?」

 懇親会? もちろん行く!

 会場から歩いて2分のレストラン。隣に座ったのが、彼だった。
 
 「さっきのお話、とても参考になりました。ありがとうございました」

 彼は24歳。有名な広告代理店で働いている。

 「今、何年生? サークルは控えめにして、早めに広告業界の先輩と会ったり、インターン行った方がいいよ」

 就活のアレコレを教えてくれた。

 「でも、この仕事大変だよ。俺、今年の春、気づいたら桜が散ってたもん。桜が咲いてることにも気づかなかったくらい忙しかった」
 
 ざっくばらんに話してくれる彼は、私と3歳しか変わらないなんて思えなかった。私の目を見て、分かりやすい言葉で話してくれる。紺色のジャケットから覗く白いYシャツは、ピシッとアイロンがかかっている。ザ・社会人。

白いワイシャツは社会人の証し、それだけで胸がときめいた
白いワイシャツは社会人の証し、それだけで胸がときめいた 出典:https://pixta.jp/

「今日は勉強になりました」

 こんな人と働けたらいいな。

 もっと話を聞きたいと思っても、先輩に連絡先を聞くはおこがましい。聞こうかな、聞いたら迷惑だよね、堂々めぐりの頭の中。とっさに出たのは

 「今日は勉強になりました」

 一礼して、その日は会場を後にした。

<解説>恋愛・都議選相関図

 恋愛において、相手の外見だけではなく、どの学校に通って何を勉強しているのか、どの会社で働いてどんな仕事をしているのか、少しずつ相手を知っていくことになります。

 選挙でも、まずは候補者がどの組織に所属しているのかを認識してみましょう。
 
 選挙に立候補する人たちは、「政党」や「会派」といったチームに所属している場合が多いです。もちろん、所属していない「無党派」の人もいます。

 「政党」は、同じ意見を持っている人たちが集まっているグループです。考えを実現するために、政治に反映していきます。国会議員が5人以上、選挙での有効投票総数100分の2以上の票が必要などの条件があります。

 「会派」も、似たような考えを持っている人たちが集まっているグループです。議員2人以上で作ることができます。
 
 7月2日投開票の東京都議選の立候補者も、政党、党派に所属しています。

都議選主な政党の構図
都議選主な政党の構図 出典:(時時刻刻)首都決戦、国政を左右 自民守勢、危機感・いらだち 都議選:朝日新聞デジタル

 今回の都議選では、これまで協力関係にあった「自民党」と「公明党」が協力しない方向になりました。

 政党や党派の数が多いため、なかなか関係性を掴みにくい可能性があります。まるで、多くの人物が登場する恋愛ドラマや映画のようにも思えました。そこで研究室では恋愛相関図も作ってみました。

研究室が作った恋愛相関図はこちら

研究の一環として、「政治の記事がどのくらい読まれているのか」などを検証するために、アンケートとクイズを実施しています。所要時間は5分ほどです。ぜひ、ご協力をお願いいたします。

「恋も選挙も情報戦〜彼との出会い〜」アンケート

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