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コンビニの中国人店員が「カチンときたこと」 レジから眺めた日本
外国人のコンビニ店員は、レジの中で、どんなことを考えているのか? 普段、店員として働く中国からやってきた女子たちに「カチンときた」ことを聞いてみると……。「万引きが多すぎる」「男性が女性と割り勘するなんて……」。異国の地、日本で体験した仰天エピソードを聞きました。
話を聞いたのは、現在、コンビ二で働いていたり、過去に働いた経験があったりする20代の中国人の女性4人。張さん(広東省梅州市出身、27歳)、楊さん(湖北省武漢市出身、22歳)、王さん(北京市出身、26歳)、李さん(湖南省長沙市出身、23歳)です。全員、日本語学校のビザで来日しました。
4人が一番、びっくりしたのは万引き被害です。
王さんは「被害にあっているのがわかっていても『現行犯じゃないと捕まえられない』と言って、そのままにしています。中国だったら、考えられません」
李さんの店では、カメラに証拠が残っているのに、届け出ないことが少なくなかったそうです。
楊さんも、万引きの多さに驚きました。
「うちの店にも常習犯が来るんですが、証拠がないという理由で捕まえないのは不思議でした」
楊さんが、一番驚いたのは成人向けの雑誌が、堂々と置かれていることです。
中国では、日本のような成人向けの雑誌やマンガは法律で禁止されています。隠れて売っている業者は、時折、摘発されてニュースになります。
なので、コンビニのようなパブリックな場所に堂々と置かれることはありません。
「コンビ二には子どもも来るのに……。成人向け雑誌のコーナーがあるとはいえ、表紙は誰でも目に入ります。本当に大丈夫でしょうか?」と楊さん。
また、楊さんがレジに立っている時、わざと女性店員に本を見せびらかしながら支払いをするおじさんもいたそうです。「セクハラ?なんでしょうか。とても不思議です」。
楊さんが「理解できない」というのは割り勘です。
「親密そうなカップルが来て、お菓子などの数百円の商品を買う時も、割り勘にするんです。中国だったら、考えられません」
中国では、恋愛は絶対的に女性が優位です。男性が女性とデートで割り勘をすることは、まずありません。
李さんも「上海なら、結婚した後も、男性が食事を作ってくれるし、家事も全部やってくれますよ」と言います。
「私も見ました」というのは王さん。「カップルが店に来て、女性が支払いで男性に10円玉を借りようとしたら、『え??』という表情をして……ケチですね」
「電車の時も、一つの空席があると、カップルの場合、女性ではなく男性が座るケースが多い・・・ちょっと不思議!!」(張さん)
外国のコンビニで働いていて困ったことはないのでしょうか?
楊さんが口を開きました。
「中年の女性が来店した時、5000円をレジに置きました。精算してお釣りを渡そうとすると、その女性が1万円を渡したと騒ぎ出したのです。店長がレジのお金を計算し、金額が全部合っていると伝えたのに『きっと1万円札を隠した』と言い出して。本当に泣きたくなりました」
この一件、防犯カメラの画像を確認したことで、女性は納得したそうです。
楊さんは、外国人の店員への嫌がらせだと感じたそうです。
張さんも「一度だけ差別を感じたことがあります」と明かしました。
「50代ぐらいの女性が、英語で話しかけてきたんです。『あなたたちは中国人でしょ。英語が話せる?』という内容で、ちょっと『試されている』ような気分になりました。その時は英語で答えることができたので、その女性は何も言わず去っていきました」
李さんは夜勤の時、嫌な目にあったそうです。
「おそらく一日の仕事のストレスがたまっていたのでしょう。タバコの煙を同僚の顔に吹きかけたお客さんがいました。同僚も外国人だったので『最悪だ』と思いました」
アルバイトの「いい思い出」も聞きました。
楊さんは、接客を通じて日本語が上達したそうです。
また、アルバイトをはじめたばかりの頃、お客に励まされたことを覚えているそうです。
「緊張して計算を間違ってしまいました。お客さんも気付いたと思います。でも、私の名札を見て外国人だと分かると、文句を言わずに『頑張ってね』と言ってくれました。その後、渡したお釣りが500円、足りなかったと分かりました。申し訳ないと思ったと同時に、感動しました」
王さんは日本人の店長に感謝しているそうです。
「レジの精算をする時に1円を落としてしまいました。その時、店長さんが何度もしゃがんで棚の下まで捜してくれました。もう、それだけで店長のファンになりました!」
文化の違いを経験したり、時に、戸惑う場面に出くわしたりしつつも4人は「いい思い出の方が多い」と言ってくれました。
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