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「フエキのり」がハンドクリームに? 混合技術を生かし新領域に進出
「フエキ糊(のり)」のハンドクリームがネット上で話題になっています。
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「フエキ糊(のり)」のハンドクリームがネット上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「フエキ糊(のり)」のハンドクリームがネット上で話題になっています。のりとまったく同じチューブに入った商品で、会社で使っていたら「疲れてるなら帰ってもいいぞ……」と上司に言われたという人も。パロディかと思いきや、発売元は「本家」の不易糊工業(大阪府八尾市)です。「のりで培った技術を生かした新領域への挑戦です」と話す担当者に取材しました。
明治19年創業の不易糊工業の代表的な商品は「でんぷんのり」。環境にやさしい天然でんぷんを使用しており、おなじみの黄色いキャラクターの頭部に入ったものや、チューブタイプなどがあります。
あの黄色い顔のキャラクター、実は「イヌ」です。1975年に「どうぶつのりシリーズ」としてイヌ、ゾウ、ウサギが発売され、そのうちイヌだけが残ったそうです。
ツイッター上で話題になっているのは、このでんぷんのりのチューブ容器に入ったハンドクリームです。
この商品を会社で使っていたら、「疲れてるなら帰ってもいいぞ……」と上司から心配されたという投稿で、「冗談と思ったらホントだった」「ネタには良いかも」といったコメントが寄せられ、リツイートは12万、いいねは14万を超えています。
この商品は2015年に発売された「FCハンドクリーム」。容器はのり用とまったく同じものですが、しっかりと衛生管理したものを使用。中身は保湿成分としてシアバターを配合し、無香料・無着色の日本製です。
「のりとコスメ分野、一見して違うように見えますが、実は関係があるんです」と話すのは、企画開発室の室長・渡辺哲也さん。
「成分を混合する技術や化学変化など、製造する上で共通点が多いんです。これまでのりで培ってきた技術を生かして新しい分野に挑戦しようと考えた結果、2008年に最初のハンドクリームを出すことになりました」
この時の商品は、「フエキ糊」の会社が出した商品と一目で分かるよう、看板商品と同じイヌの顔の容器を採用。当初3万~5万個売れればヒットと考えていましたが、発売3カ月で40万個が売れました。
今回話題になったチューブ入りは、「より歴史のある商品なので幅広い世代に親しんでいただけるのではないか」と2015年に発売され、年間10万個以上が売れているそうです。
「ジョークのネタとして話題になることが度々あり、うれしく思っています。パッケージだけでなく、中身も安心・安全にこだわっているので、ぜひお試しください」と渡辺さんは話しています。
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