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「ザリガニ学部」中国で誕生、何学ぶ? 実は人気食材、料理も経営も
日本では「食材」のイメージがあまりないザリガニですが、中国では「屋台料理の王」と呼ばれるくらい身近な存在です。年間消費量が60万トンもあり、輸出にも力を入れているというザリガニ。産地の一つ湖北省の短大に2017年、「ザリガニ学部」が生まれることになり話題を集めています。いったいどんなことを勉強するのでしょうか?
中国ではザリガニは「小龍蝦」(小さいロブスター)と呼ばれ、「カニ」より「エビ」寄りの食材として認識されています。
値段が安くおいしいため、庶民に人気で「屋台料理の王」と呼ばれています。最近では高級レストランでもザリガニ料理を出すようになっています。
新華網の報道によると、中国ではザリガニの年間の生産量は60万トンに達しています。欧米にも輸出しており、ザリガニの養殖はすでに一つの産業になっています。
中国で、有名なザリガニの産地の一つが湖北省の潜江市です。
潜江市内には湖が多く、水資源が豊富のため、ザリガニの生息には適していると言われています。
年間6万トンを超える生産量があり、幼生の出荷率は中国全国の60%を占めているため、「中国最大のザリガニ生産基地」と呼ばれています。
2015年のデータによると、輸出額は1.9億ドル(約190億円)に達し、中国国内でもオンラインのショップなどでの売り上げが1億元(約16億円)を超えました。
そんな潜江市で、より専門的なザリガニ産業の人材育成をめざし「江漢芸術職業学院」(日本の短大に相当)にザリガニ学部が生まれました。定員は150人です。
ザリガニ学部では、どんなことを学ぶのでしょうか?
学生には「調理技術と栄養」、「料理飲料マネジメント」、「マーケティング」のカリキュラムが用意されています。
短大によると、料理方法はもちろん、ザリガニに含まれる栄養なども専門的に学びます。ザリガニ料理に合う飲み物など、総合的なコーディネートも身につけられます。また国内だけでなく、輸出などを視野に入れた新しい市場の開拓についての内容も。
まさにザリガニのエキスパートを育てる内容になっているそうです。加えて、学生が卒業し専門の資格を取得できたら、就職が保証されています。
中国でも珍しいザリガニ学部。中国版ツイッターの新浪微博では、ネットユーザーたちから様々なコメントが投稿されています。
「素晴らしい!グルメにぴったりの学部」
「次は上海ガニ学部、豪州ロブスター学部、フグ学部が生まれるかも?」
「卒業証明書に『ザリガニ学部卒』という文字?ほかの業界に行きにくいなあ…」
「今の時代、就職が保証されるのはすごいね」
「大学院はないの?」
SNSでも話題になっている就職先の保証。「江漢芸術職業学院」に取材したところ、担当者は「地元政府やザリガニ関連会社と契約しています」と説明しました。
新入生が入学するのは9月からですが、「オンライン経由で多くの申し込みがありました」「今年の合格者は86名です」(短大担当者)と、評判は上々のようです。
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