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LINEで「休みます」はアリ?ナシ? サラリーマン川柳30年を振り返る

20代限定の「U-29」でグランプリになった一首。「『言ったよね?』 初めて聞いた でも言えず」
20代限定の「U-29」でグランプリになった一首。「『言ったよね?』 初めて聞いた でも言えず」

目次

 LINEで「休みます」はアリ? ミスした時の「てへぺろ」は――。「サラリーマン川柳」(サラ川)が2016年に誕生から30年を迎えたことを記念して、主催する第一生命保険が、これまでの句をお題にした座談会を開きました。川柳からみえてくる「上司と部下」の関係は、30年でどう変わったのでしょうか。

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「サラ川」30歳で座談会

 サラ川は、1986年に第一生命の社内コンクールとしてスタート。87年から一般公募を始め、2017年2月に第30回の結果が発表される長寿企画です。座談会はこれまで投稿された句の中から、サラリーマンの働き方がテーマの29句を同社が厳選。次のような作品がパネルに掲示され、参加者がそれぞれ印象に残った句を挙げて話し合いました(カッコ内はコンクール年数と投稿者の雅号)。

十二支が 「ねーリストラ」に 聞えたり(1994年、業績不振)
ムダ会議 どう減らすかで また会議(2002年、エコキュート)
オレの指 スマホも部下も 動かせず(2011年、不器用ですけん)

 座談会に参加したのは、第一生命や、サラ川に関わったことがある企業に勤める5人です。
 
 最年長は第一生命の財務部長、安江大輔さん(52)。サラ川黎明期の1988年入社です。

 2番手は同社広報部の永塚淳子さん(42)。入社した1997年は、社内でパソコンが1人1台になった頃だそうです。

 他社からは2人が参加。出版業界で働く大室智さん(36)は2004年入社、市場調査会社の社員、山口陽子さん(34)は06年に入社しました。

 最後の1人は第一生命リスク管理統括部の市川隆太郎さん(30)。12年入社で、今回の座談会では最年少です。

座談会に参加した5人
座談会に参加した5人

LINEで「休みます」

――ギャップを感じる句はありますか?

休みます LINEの文字は 元気そう (2014年、すっとぼけ)

 

安江さん(52)

昔は電話をして、お詫びをいって休むことが通常。便利なのかもしれないですが、少し新しいことなのかなと思いますね。

 

大室さん(36)

私の入社当時、Eメールで「休みます」って連絡をするのはやはりかなり失礼という社会的認識だった。まだまだわからない部分もあるのですが、(今は)SNSをビジネスに使うかたもいらっしゃいますし、新しいツールが市民権を得てきている印象です。

――部下と上司でコミュニケーションについて、入社当時と今で、変わったと思うものはありますか?

「あー」言えば 「こう」言う「部下」達 A・K・B(2011年、課長48才)

 

山口さん(34)

私が後輩に何か教えるとき、しっかり意見を言ってくる。でも私自身も上司からは、そう思われていると思います。

 

安江さん(52)

30年前は、(部下から上司に意見を言うことは)相当自信がないとできなかったかもしれないですね。

――この価値観、理解できないっていう句は?

ミスをして てへぺろ返す オレの部下 (2015年、ムカ着火係長)

 

安江さん(52)

そのときに、この対応だとちょっと……。

 

市川さん(30)

若手としても、これはいかがなものかと思いますが(笑)
1999年の1位は「プロポーズ あの日にかえって ことわりたい」
1999年の1位は「プロポーズ あの日にかえって ことわりたい」

「A・K・B」が上司を鍛える?

――先ほどのA・K・Bの句について、もう少し詳しく皆さんの感想をおしえてください。

 

安江さん(52)

……どういう掛かり方をしているんですかね。

 

市川さん(30)

「あー」が「A」で、「こう」言う、が「K」で、「部下」が「B」、です。

 

安江さん(52)

ああ……!大変失礼しました。

 

一同

 

永塚さん(42)

以前は、打ち合わせをしていても、下は話しにくい空気があったと思う。やっぱり今はとにかく自分の意見を言おうよ、という雰囲気が強い気がします。

 

大室さん(36)

ただ自分の世代でも会議で若い人が発言するのは少なかったです。(今は)増えたかなと思う。そういう環境が増えたから出てきた句。若い人が主張できるのは非常に良いことだとは思います。

 

市川さん(30)

私は部下の立場。上司にこう思われているのかなと思う。根拠のないことをあーだこーだ言うのは良くないけど、根拠をもって上司に対して意見できることが、若手の成長にはつながると思う。これが全然悪いとは思っていないですし、こういえるように若手がなるべきだと思いました。

1995年の1位は「『ゴハンよ』と 呼ばれて行けば タマだった」
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――というお話を聞いて、安江さんいかがですか。

 

安江さん(52)

そうですね。あのー、、、(若手から)言ってもらったほうが、上司は鍛えられますね。はい。実際に現場で仕事しているのは若い人たち。考えていることを聞くことで、自分が思っていることが他から見ると違うことがわかるかもしれない。それを受け入れないと、鍛えられないのではと思います。

――それはご自身の経験から出てくるお話ですか。

 

安江さん(52)

なるべく、気をつけています(笑)

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