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カゼで「首にネギをまく」民間療法 意外にフランス・ドイツでも…
急激な寒暖差で体調を崩しがちな11月の日本。外国から日本に来て、慣れない環境で子育てをしている親はどう乗り切っているのでしょうか。聞いてみました。
東京都三鷹市で11月上旬に開催された、外国人や国際結婚のママたちが集まるおしゃべり交流会。この日のテーマは「カゼのてあて」です。みなさんの国ではどうやっているのか聞くと、各国の知恵が集まりました。
2歳1カ月の娘と参加したドイツ出身のネレさんが披露した「てあて」は、家族がカゼ気味の時に「薬よりも飲んでいる」というもの。それは「お茶」です。
「カモミールなどのハーブを使って、とにかくお茶をたくさん飲んでます。子どもにはハチミツを入れたホットミルク。体をあたためます」
カゼ気味のときこそ、お風呂にも積極的に入って、体をあたためるそうです。
フランス出身のセシルさんも、「フランスにいた頃から、カゼをひいただけでは、病院には行かないです」と言います。体調が悪くなると「お湯を入れたポットに、レモンとハチミツ、ショウガ、タイムを入れて作る」という特製ドリンクを飲むのがお決まり。
日本では「カゼの時はおかゆ」のイメージですが、セシルさんが子どもに作っているのは「スープ」。カボチャやニンジンを煮た後に、ミキサーで細かくするそうです。「ポタージュよりも汁気が多く、飲みやすくなりますよ」
病院や薬に頼らない「民間療法」。日本人参加者からは「小さい頃は、首にネギを巻いて学校に行くこともあった」という話が出ました。手ぬぐいにネギを入れて首にまくと、独特の香りで鼻通りが良くなるそうです。
意外にも、フランス出身のセシルさんが「そういえば、小さい頃はうちでも、タマネギを切ってベッドサイドに置いておくという習慣がありました」、ドイツ出身のネレさんは「確かに、子どものとき、耳が痛かったときにタマネギをあてられた記憶があります」と賛同します。
タイに住んでいた日本人女性は、「体調が悪い時には『チキンスープが一番』だと勧められて、『カゼの時はおかゆ』という日本の感覚とは違うことに驚いたことがある」と話しました。
交流会には日本の助産師や保健師が同席し、食欲がない時や吐き気がある時に備えて、子どもが飲みやすいゼリー状の経口補水液などを常備しておくと良いことも説明し、体を温めるくず湯など日本の商品も紹介しました。
また、カゼのような症状に思えても急変することがあるため、判断する情報も紹介しました。日本小児科学会の「こどもの救急」のサイトでは、日本語のほかにも、英語、簡体中文、繁体中文で、子どもたちの症状に応じて「病院を受診するかどうか」など判断の目安の情報を提供しています。
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