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数百人が行列するアニメカフェ 「ユーリ!!! on ICE」スケオタの聖地
史上初の男子フィギュアスケートアニメ「ユーリ!!! on ICE」(テレビ朝日系)が人気です。グランプリ(GP)ファイナルでは、ロシアのメドベジェワ選手が、アニメと同じ巨大おにぎりのプレゼントを持ち、キス・アンド・クライで得点を待つ姿が話題になりました。そんなアニメのカフェが六本木に誕生、熱狂的なスケートファン(スケオタ)の聖地になっています。さっそく、数百人の行列ができているというカフェに並んでみました。
テレビ朝日本社アトリウム内のカフェ「CHEZ MADU (シェ・マディ)」。12月1日から期間限定で、アニメキャラのラテアートが施されたドリンクや、GPファイナルの開催地、フランス・マルセイユにちなんだスープなど、スペシャルメニューが楽しめます。
アニメの人気もあり、連日、大勢のファン押し寄せています。予想を超える大反響で、整理券を配布することに。この整理券も配布開始と同時になくなる状態です。
整理券の配布は午前9時半から。外で待つことになるため、防寒対策が必須です。午前7時半ごろに到着すると、100人以上の列ができていました。ほぼ全員が女性で、20~30代が中心です。
この日の東京の気温は8度。少し寒いですが、競技会で並ぶことが当たり前になっているスケオタは慣れたものです。
小走りで最後尾に向かい、待っている時間はスマホでGPファイナルのニュースをチェック。アニメのおさらいもして時間を過ごします。
午前8時すぎには屋内に案内され、ひとまず寒さから逃れました。振り返ると列の人数は200人を超え、うずを巻いていました。
午前9時半。「整理券がなくなる可能性があります」「メニューが売り切れる場合があります」と呼びかけが。少し不安になりますが、信じて順番を待ち、無事、整理券を手にゲット。試合に例えるならば早朝練習の観戦を終えたような気分です。
案内していた担当者によれば、この日は300~400人が並んでいたようです。整理券には入店時間が指定されています。私は午後の時間帯。朝が早かったので自宅に戻って仮眠をとり、本番を待つことにします。
午後、指定された時間に店へ。注文は入店時のみで、追加はできません。多彩なメニューに迷ってしまいますが、チャンスは1回だけです。「ここで決めるしかない」。覚悟を決め5品を注文しました。
店内では、アニメの映像や曲が流れ、キャラクターやGPファイナル出場選手の紹介パネルが迎えてくれます。アニメキャラの等身大のパネルもあり、料理を待つ間、記念撮影が楽します。
10分後には、注文したメニューが次々と運ばれてきます。食事の時間はメニューがそろってから45分という制限が設けられています。注文数にもよりますが、かなりハイペースで食べなければなりません。
まずは、主人公の勝生勇利(かつき・ゆうり)にちなんだ「勇利の大盛りダブルカツ丼」(税別1380円)。アニメの中で登場するカツ丼をイメージしています。約900㌔カロリーで、味噌汁も付いてボリュームは十分。スケオタに不可欠な体力がつきそうです。
次に、飲み物はキャラのラテアートが楽しめるドリンク。飲むのがもったいないくらいキュートに描かれています。勇利のスイートココア(ホットとアイス)のほか、ロシアの次世代スケーター、ユーリ・プリセツキーや勇利のコーチを務めるヴィクトル・ニキフォロフのラテアートもあります(いずれも税別560円)。
最後に、デザートは「4回転ループリン」(税別680円)。チョコレートとキャラメルソースで4つの輪が描かれています。甘く滑らかな食感。「フランスでは、羽生結弦選手が世界一美しいループを跳んでいるだろうか」と想像しながらいただます。「Очень вкусно!」(オーチンフクースナ〈とてもおいしい〉)と思わずロシア語がこぼれます。観戦を通じて覚えたロシア語が東京で生かせるとは思いもしませんでした。
メニューはほかにも、ロシアの伝統料理をイメージした「ユーリのピロシキ」(税別780円)や、GPファイナルの舞台を思わせる「マルセイユ風魚介のスープ」(税別1180円)などがあります。
メニューを制覇するには、グループで来店するか、再来店が必要になりそうです。
わずか45分でしたが、本物の試合の観戦を終えた後のような充実感。「Спасибо!」(スパシーバ〈ありがとう〉)。再び心の中でロシア語を叫びながらカフェを後にしました。
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