感動
鉄拳さん「昔、警察のお世話に」 漫画で描いた「暗い過去」感動呼ぶ
奇抜なメイクと衣装がトレードマークの芸人・鉄拳さん。その風貌からはギャップがありますが、心温まる人の絆を描くパラパラ漫画の作者という顔も持っています。その作品の一つが注目を集めています。ネットで公開された漫画のテーマは「非行からの立ち直り」。鉄拳さん自身の「暗い過去」と重なる物語で、「周りの人の支えがあることの大切さを伝えたい」との思いが込められています。
この作品は、主人公の少年が両親の不仲をもとに不良たちと付き合うようになり、事件を起こすストーリーです。その後、保護司や地域の人たちの支えで立ち直る姿を描いています。
鉄拳さんは「僕は小中学校のときに悪いことをして警察のお世話になり、自暴自棄になった。そのときに周りの人が支えてくれて立ち直れた」と振り返ります。
中でもお父さんの果たした役割が大きかったそうです。問題行動を起こした後、ドライブや映画に連れて行ってくれたことが鉄拳さんの胸に残っています。
「コミュニケーションが取れるようになり、僕も明るくなった。だから親や周りの支えが必要。あのときお父ちゃんが見捨てないで、支えてくれた。『お父ちゃん、正解です』」
この作品は法務省が中心となって進める「社会を明るくする運動」の企画として、法務省が依頼したものでした。犯罪や非行をした人の立ち直りをめざす運動で、今年で66年目を迎えています。
依頼を受けた鉄拳さんは「支えてくれる人がいることを多くの人に知ってもらいたいと思った」と千枚以上を無償で描き、約3分間のショートムービーに仕立てました。
今年4月下旬に動画が公開され、法務省によると、運動の行事での利用なども含めると、上映は約14万回に上っているそうです。
鉄拳さんはこの運動のCM動画にも出演しました。こうした協力が運動への大きな功績があったと評価され、法務省で2日、法務大臣の感謝状の贈呈式がありました。
運動の名前を略した「社明」と額に描いて式に臨んだ鉄拳さんは「もともと世界を征服すると言って出てきて、まさか良い仕事が来るとは。しかもこのようにすばらしい賞状をいただき、光栄です。すぐに親に電話して、自慢したい」とあいさつ。
「日本だけでなく、世界の社会を明るくしたい」と喜びを語りました。
その後、鉄拳さんは更生保護のマスコットキャラクター「更生ペンギンのホゴちゃん」と並んで、報道陣の取材に応じました。
「ピコ太郎さんの再生回数がすごいことになっているので、そのくらい見てもらいたい」と、芸人としての「ライバル」を引き合いに、作品への注目をアピールしていました。
作品は動画サイト「YouTube」内の「法務省チャンネル」(https://www.youtube.com/user/MOJchannel)で見ることができます。
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