MENU CLOSE

コラム

命より大切な仕事は…〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く電通過労自殺

漫画家・吉谷光平さんが電通社員の過労死について描きました。

漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平

 「いのちより大切な仕事はありません。過労死を繰り返さないで」。広告大手・電通の女性新入社員が過労自殺だったとして労災認定され、母親が記者会見でこう訴えました。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんがこのニュースをもとに漫画を描きました。

【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」
漫画「社畜」=作・吉谷光平
漫画「社畜」=作・吉谷光平
 亡くなったのは、入社1年目だった女性社員(当時24)。東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。インターネット広告を担当するデジタル・アカウント部に配属されました。
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
 女性は昨年12月25日、住んでいた都内の電通の女子寮で自殺。その前から、SNSで「死にたい」などのメッセージを同僚・友人らに送っていました。三田労基署は「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定し、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論づけました。
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
 業務が大幅に増えたのは、試用期間が終わり、本採用になった昨年10月以降。部署の人数が14人から6人に減ったうえ、担当する企業が増えました。月100時間を超える時間外労働をこなしたこともあったそうです。
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
 電通では1991年にも入社2年目の男性社員が長時間労働が原因で自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定。この判決以降、社員の出退勤時間の管理を徹底するなどとしていましたが、過労自殺の再発を防げませんでした。電通は「社員の自殺については厳粛に受け止めている。労災認定については内容を把握していないので、コメントは差し控える」としています。
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平
漫画「社畜」の一場面=作・吉谷光平

 【よしたに・こうへい】 26歳の漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。現在は月刊ヤングマガジンで「ナナメにナナミちゃん」を連載中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます