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「こち亀」単行本、ページ増量の怪 200巻に向け2年越しの準備?
1976年9月から続く、少年ジャンプの人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載終了が発表されました。9月17日に週刊少年ジャンプに最終回を掲載。さらに同じ日に、最終回までをおさめた単行本第200巻が発売されます。なぜ、こんな「同着」ができたのでしょうか。
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1976年9月から続く、少年ジャンプの人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載終了が発表されました。9月17日に週刊少年ジャンプに最終回を掲載。さらに同じ日に、最終回までをおさめた単行本第200巻が発売されます。なぜ、こんな「同着」ができたのでしょうか。
1976年9月から続く、少年ジャンプの人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)の連載終了が発表されました。長寿連載にふさわしい華やかな幕切れになりそうで、連載開始から40年にあたる9月17日に週刊少年ジャンプに最終回が載る予定。さらに同じ日に、最終回までをおさめた単行本第200巻が発売されます。なぜ、こんな「同時終了」が実現できたのでしょうか。調べてみると、2年前から着々と単行本による「追い上げ」が進んでいました。
こち亀の単行本には、2年前の2014年8月に発売された191巻から異変が起きていました。
190巻まで「こち亀」の単行本は、1冊に9話を収録。ページ数は190ページ程度、値段は税抜き400円でした。
それが191巻では一気に14話を収録。ページ数は約100ページ増え、値段も500円に。当時の少年ジャンプの告知ページには「191巻は、前代未聞のボリュームアップ! ページ数・収録エピソード数を1.5倍に大増量!」と書いてあります。
これは一時的なものかと思いきや、その後さらに増量。196巻以降は17話を収録し続けてきました。
驚いたのはファンです。あまりにハイペースでの掲載に「単行本が雑誌連載に追いついてしまう」。そんな指摘がすぐに出ました。
190巻の時点では、週刊連載は単行本より51話分も先を進んでいました。約1年間の掲載量に匹敵する「貯金」があったのです。それがみるみる減り、194巻では30話分、199巻では6話分しか無くなっています。
理由についても2年前から
「その時々の話題が古びないよう、単行本化までの時間を縮めたいのでは」
「(出版元の)集英社か秋本先生のイベントに、ちょうど200巻が発行できるようにしたいのでは」
などと臆測が飛び交ってきました。
ただ「単行本と雑誌連載との差は、作品によって本当にまちまちで、話数がたまればすぐ単行本化する作品もある」(集英社広報)ため、貯金が減ったからといって、すぐさま連載終了を連想させるものではありません。貯金も、200巻を前に底をついたわけではありませんでした。
ところが200巻は通常の単行本2冊分、400ページの分厚さとなる予定。最後まで勢いを落とすことなく、週刊連載に追いつくことになりました。
連載終了は、増量が始まった2年前から視野に入っていたのでしょうか。
集英社に聞いたところ、「会見で作者の秋本治先生もおっしゃられたように200巻、40周年を意識して連載終了を決めたとしか申し上げられません。以前からのことについては、コメントはできません」(広報担当者)と回答がありました。
とにかくも40年間一度も休載せず、計画的な執筆を続けてきた「こち亀」のこと。最終回の花道まで、入念な準備があったことは間違いなさそうです。
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