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フォトショ加工術でフォロワー220万 中国人元モデルの大胆な投稿
中国でも人気の「自撮り」。元モデルの「#邢暁瑶」さんは、中国版ツイッター微博で、フォトショップの加工方法を紹介し、220万人ものフォロワーを獲得しました。その内容は、自分の顔を使って「使用前」と「使用後」を比較する大胆なもの。時には心ない言葉をぶつけられることもありますが、「罵詈雑言はゴミ箱に」と、さばけています。ネット有名人になったことで、次々と仕事が舞い込むようになったという「#邢暁瑶」さん。中国で巨大アカウントを運営する本音を聞きました。
フォロワー数220万人を超える女性の元モデル「#邢暁瑶」さんは、中国で「網紅」と呼ばれるネット有名人です。
元々、普通のモデルだったという「#邢暁瑶」さん。10万フォロワー程度の時期が続きましたが、地道に、お化粧のテクニックと「PS技術」を紹介していました。
特に「#邢暁瑶」さんの「PS技術」は分かりやすく、実用的であるのが特徴で、「PSの講義を見るためにフォローしているよ」「邢さん最高!」など高い評判を集めていました。
アカウントでは、日常生活の写真も投稿、化粧のプロセスを紹介する動画では、時々素顔も見せています。
SNSが発達している中国では、写真を友人たちに見せる機会が数多くあり、自分の写真をきれいに加工したいというユーザーが少なくありません。普通の人でも「美人」になれることを教える「#邢暁瑶」さんのアカウントは、SNS時代のニーズをとらえていました。
フォロワー増加のきっかけは、2016年3月、中国のネットメディア「今日頭条」に「知っておきたい微博有名人」として紹介されたことでした。その頃、19万程度だったフォロワーが、一気に200万になったそうです。
ネットメディアのニュースが一つのきっかけにはなりましたが、爆発的にフォロワーが増えたのは、これまでのユニークで実用的な投稿があったからこそでした。
「#邢暁瑶」さんのSNSに対するスタンスは独特です。
中国では数百万レベルのフォロワーを持つアカウントは、複数人で管理するサポートチームを作る人が少なくありません。しかし、「#邢暁瑶」さんの場合「大好きなのは家でゴロゴロすること」という自然体を崩さず、そのこともあって、長い間、フォロワー数は十数万人程度のままでした。
その姿勢は有名人になった後でも変わっていません。フォロワーの増加により、1回の投稿に対して平均数千のコメントと1万近くのいいねがつきます。普通の人なら緊張しそうですが、「#邢暁瑶」さんは「特にプレッシャーは感じないですよ」と言います。
たまに、彼女に対して「すっぴんの時はブスだ」「PSした写真は偽物だ」などの批判的な意見が投稿されることもありますが、「1000人のなかに、998人はあなたが好きで、2人があなたを嫌っても、その2人は無視すればいい。もしひどい罵詈雑言があれば、届いた投稿はゴミ箱に捨てて、アカウントはブロックです」と言い切ります。
一方で、百万単位の人がフォロワー(中国語で「粉糸」)になってくれていることは「常に感謝しています」という「#邢暁瑶」さん。
最近は、たくさん食べて、体形が変わってしまっても、フォロワーからは「可愛い」「綺麗」「素直でいい」とコメントをしてくれるので、ついつい甘えてしまうそうです。
「以前と比べて、かなり『黒太(黒くて太い体形)』になってしまいました…」
「自分はあくまでも平凡な人で、インターネットがなければ、ここまで有名になることはなかったでしょう」と語る「#邢暁瑶」さん。
100万フォロワーレベルの有名人になると、ネット上のCMやプロモーションの仕事が増え、大きな収入源になります。フォロワーたちは生活の糧とも言えます。
そんな「#邢暁瑶」さんは7月に、観光のため来日しました。最も感心したのは、日本の清潔さとマナーの良さだったそうです。
7月30日に隅田川の花火大会では、ゴミの少なさに驚き、混雑時でも駅で整然と歩く様子を見て、「すごい」とコメントしました。
そして、さっそく日本での食事や浴衣の姿などをアップし、日本でポケモンGOをやっている様子も紹介しました。
こまめなに日常生活をシェアするのが、人気維持の秘訣のようです。
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